ロードス島戦記〜アラニア興亡史〜


その105


「あれには辛い思いをさせたのだろう……王とは……王家とは情けないものだな」
 それは自嘲気味の言葉だった
「セシリア……よく尽くしてくれている……あれの父として感謝する」
 視線を窓の外から動かすことなく、それでも言葉はセシリアに届いた
「そんな……もったいない……お言葉です」
 ようやく嫁として受け入れてもらえた気がするのだ
「この上……あの馬鹿に尽くそうなどとは、あなたは余程の愚か者だ」
 それは誉め言葉だと思えた



 でも……誉められた気はするのですねぇ 何というか銀英伝のゴールデンバウム最後の皇帝のようなイメージがありましたねぇ