2年生で公安委員会の秀才さん

1

 そのディスクはよくある裏もので、二級生徒や学園教師、さらには間違って裏に入り込んで出て来られなくなったような連中のレイプシーン取りまとめた物だった。
「可哀想だとは思うが俺には関係無い」
 探偵推理小説研に所属する学園探偵としては依頼も無いのに首を突っ込む気は無い
「な……」
 だが事情が少し変わった、予告と銘打たれた場面で写し出された女生徒は俺の幼馴染だったのだ……今は公安委員会でその辣腕を振るっている……

2

 彼女が取り締まりをして違反生徒を検挙するシーンが写し出される。
「こんなの写したら彼女が犯られるのを望む生徒が増えちまうじゃねえか」
 彼女は有能であるが故に一部の生徒には反感をかっていたのは確かだからだ。

3

 そして俺は驚く事になる、男子禁制の女子寮「弁天寮」の大浴場での隠し撮りが写ったからだ
「こんなのどうやって……思ったよりも大袈裟な組織みたいだな」
 性愛研のチェックも入っていない裏ものだったから小さな組織だと早合点していた
「やばいか……」

4

 そして彼女の寝室が映された所で予告は終っていた
「こりゃ、やばいぜ……個室にまでどうやってカメラを持ち込みやがった」
 不安が募る、俺は彼女を守りたいと思ったのだ

5

 翌日、俺は行きたくも無い公安委員会へと彼女を訪ねた
「久しぶり! 落とし物でもしたの? 学園探偵さん」
 彼女は昔とかわらぬ気さくさで俺に話しかけて来た、だから裏の組織に狙われている事を正直に伝えることにした
「ありがと、心配してくれて……でも天下の公安相手にそうそう何か出来るものではないわよ」
 彼女はわらってその日の巡視に出かけて行った
「また、後でその事を相談するわ、あなた得意でしょ。学園探偵さん」
 そして……そのまま彼女は帰って来なかった。

6

 数日後の悪徳大路で俺は見たく無かったディスクを手に取ることになった
「バカ野郎か俺は……」
 自室で確認する事にする……俺の手は震えているのがわかる

7

 捕まった直後からディスクは始まっていた
 抵抗する彼女は衣服を剥ぎ取られながらも強気だった、公安としてのプライドも覗いていた
「こんな事してただで済むと思っているの?」
 俺に向かって言っているようでもある

8

 それもレイプされて股間から処女血とザーメンが流れ出る所を大写しにされる頃には泣き顔に変わっていた
「もういやぁ 誰か助けてぇ」
 それすらも俺に向かって言っているように思える。

9

 徐々に仕込まれていくのがわかる、3つの穴が全部使えるようになるまでこのディスクには納められていた
「また……私のディスクを……買って下さいね……」
 無理矢理言わされているであろうその言葉に俺は涙を流すしかなかった。

10

 俺はそれから数日後に、彼女と再会した
「お……おい」
 彼女は悪徳大路のとある店で客を取らされていた。
「何やってるんだ!」
 彼女は自分を責めさせる道具を提示しながら
「どうぞ、好きな物で私を苛めて下さい……」
 疲れたようにそう言うのだ……すべてを諦めたように、だから俺は彼女を一晩買った……
 彼女は個室に入ってようやく泣きながら俺に訴えたのだ
「生徒証を取り上げられて、他の名前で登録されたの……二級生徒届け出法っていうのは……こういう風に使う様に出来てるのね……知らなかったわ、だってこの店って公安委員立ち寄りの店なのよ、性愛研も認可してる……私はもう何処に出しても恥ずかしくない二級生徒なのよ」
 俺にはもう何も出来ないのか……彼女を抱きながら無力感を味わっていた……



※二級生徒届け出法というのは仮称です、学園では生徒以外の労働者に対する届け出が義務づけられて二級生徒が何処にいるか掌握し彼等を守ろうとする動きがありました。しかし現実的には抜け道が多い悪法であると言われているのです。