第一話

 あの学園探偵を、誘き寄せられたと言うことを気がつかせずに、如月…いや、今は五月に再会させるには、それなりの苦労した。
 まずは、学園探偵の野郎に特別編集した裏ディスクを入手させる、そこから導き出されるであろうルートで、数日後に店で客を取らされている五月に出合わせるためだ。
 無論のこと五月には言い含めている…あの学園探偵が、自分の捜索をやめさせるようにする事を、交換条件は後輩の身柄の安全である。
 身体につけられた刺青などの夥しい傷痕は、カモフラージュ用の人工皮膚などで、たとえセックスをしたとしても気がつかないレベルにまで修復した上で、五月と学園探偵の二人を御膳立ての通りに再会させた。
 カメラとマイクが隠された個室で、涙ながらに五月は話をしている…あらかじめ言い含められた台詞を…



「生徒証を取り上げられて、他の名前で登録されたの……二級生徒届け出法っていうのは……こういう風に使う様に出来てるのね……知らなかったわ、だってこの店って公安委員立ち寄りの店なのよ、性愛研も認可してる……私はもう何処に出しても恥ずかしくない二級生徒なのよ」
 五月の言葉に、学園探偵は何も言えなくなっている…ただ、五月の身体を抱きしめながら、己の無力感を味わっているようである…
 別室でその様子を見ながら、俺はこの茶番劇に薄笑いを浮かべる…
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 セックスでもすれば面白いのにと思っていたが、学園探偵の奴は五月を抱きしめただけであった…そして純愛の時間は、やがて終わり告げ、学園探偵は個室から出て行く…
 それと入れ替わるようにして俺は、五月の前に姿を現す。
「なかなかの名演技…だな?さすが裏ディスクの人気主演女優なだけあるぜ」
 俺の揶揄するような問いかけに五月は吐き出すように答える。
「これで、二人の身柄の安全は保障してくれるのね」
「わかってる、約束は守る…なにせ、俺にとっても可愛い後輩だからな」
 そう…約束は守る、あの後輩二人組みには手を出さない…と言うよりは、実際問題で言えば、そうそう公安委員会のメンバーを失踪させるは拙いのである。
 だからもとより、後輩二人組みを如何こうしようと言う気は端から無かった…ただ、五月を脅迫するための材料として言っただけであった。
 ただし…約束は、あの二人の安全だけだ…あの二人以外の安全は、約束していない…無論のこと、この場で俺はその事実を五月に言う気は無かった。
「そうそう、よくできました…と言う事で、御褒美だ…あとで飲んでおけ」



 俺はポケットからピルボックスを取り出して、五月にわたす。
「これは…」
 わたされたピルボックスを五月は見ている。
「単純に言えば、人工中絶薬…てなところか、妊娠初期…受精してから2週間以内にこの薬を飲めば受精卵は、死滅して体外に排泄される…今のお前には、喉から手が出るほどに欲しい代物だろ?」
 別に親切心…仏心が出たわけではない、ありとあらゆる生物の子供を妊娠すると言うのは、嬲る分には面白いが、客を取らせての商売として考えた場合は不都合な事が多い…また、この薬を使えば五月の奴も上手くコントロールできるというものある。
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             第二話

 一ヶ月の月日が流れる…すでに五月は、壊れる事も無く、この店の看板となっている。
 俺は、久しぶりに店に顔を出し、個室に五月を連れ込む…
「よう、久しぶり…元気だったか?」
 五月は返事をすることなく、これから行われるであろう凌辱を、単なる仕事と割り切る意思を露にしながら、己を責め苛む器具の準備をする。
 準備をしながらも五月は無言であった…口をきくのも汚わらしい…と言うところだろうか?
「つれないな…せっかく面白いものを持ってきてやったと言うのに…」
 俺は、そう言いながら個室に備え付けられていたデッキに持参したディスクをセットする。
「五月のディスクは、大ヒット商品だったが、今度の新作ディスクは、五月のディスクの売り上げに迫る勢いだぜ…」



 ディスクと言う言葉に五月は反応し、画像が映し出されるであろうモニターを注視する…俺は、デッキのスイッチをオンにした…
 モニターに一人の少女の姿が映し出される…その映し出された少女を一目見るなり、五月は始めて声を出さした。
「美緒…ちゃん…」
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 如月律子を探し回っていたのは、学園探偵の野郎と後輩二人組みだけではなかった。
 律子を拉致った2日目の放課後にその彼女は現れた…その場に俺しかいなかったのは幸運であった…最も彼女にとっては最悪であったのだが…
 彼女は、昨日から連絡の取れない従兄弟の如月律子の安否を心配して、この場所…公安委員会83分署にわざわざ尋ねて来たという事であった。
 しばし考える…これ以上、律子を探し回る奴が増えるのは得策ではない…だからと言って、この訴えを握り潰すのも、薮蛇になりかねない…思案の結果、この娘を自分の監視下に置いて置くのが一番だと言う結論に達した。
 俺は親身に(少なくと表面上は…)彼女の話を聞く…彼女の名前は、如月美緒と言った。
 苗字からわかるように律子の親戚で従兄弟だと言う…学年は一年癸丑組、図書委員会所属…しゃべる口調は、おとなしい印象を受けるが、その言葉の端々に強い意志を感じる事が出来る…話をしながら、俺は如月美緒を観察する…印象は律子とはまるで違っていた。
 唯一の共通点は、眼鏡をかけていると言う点ぐらいだろうか?




 黒く長い髪は二つに分けてリボンで結んでいる、美人の部類に充分入る整った顔立ちと眼鏡の奥の優しげな瞳が印象に残る、際立つような白い肌が物静かな印象を見る者に与えている…背はそんなに高くないが、出るべき場所はささやかながら出ており、俺の目を充分に楽しませてくれた…
 俺は、自分の携帯の番号を教える、そして律子について情報があったならこちらからも連絡をすると言う事で、彼女の携帯の番号を教えてもらった。
 そして、毎日のように俺の携帯に彼女からの連絡が入る…律子について何かわかった事がありませんか?…と言う内容であった。
 最初は適当に誤魔化していたが、だんだんとやばい状態になってくる…どうやら俺に対して不信感が芽生えてきたらしい…何度目かの連絡の時に、学園探偵を雇入れて律子の行方を捜してみようかと思う…と言うような事を言い始めた…拙いな…そろそろ限界か…準備もできたことだし…俺は言う。
「律子の手掛かりになるかもしれないディスクを手に入れた。君に確認してもらいたいから…今晩時間ある?」
 一も二も無く彼女は、承知する…初めての手掛かりであった…指定された場所の彼女はいた。
 俺は、彼女を連れて建物に向かう…かって、律子の凌辱輪姦シーンを撮影した建物へと…
 建物中に入る…そして、その建物中の一室でディスクを再生する…律子の凌辱輪姦ディスクを…



 モニターには、男達に犯されている律子の姿が映し出されている…それを見る美緒の表情に驚愕と怒りの表情が浮かび上がる。
「これは…これは、どういうことなんですか!…ひどい…ひどすぎます!」
 俺は淡々と事実のみを美緒に話す…如月律子は悪徳大路の中で拉致され、その後に凌辱シーンを撮影され、二級生徒として再登録された末に 商品として悪徳大路で身体を売っているということを、親切丁寧に教えてやった…無論、その全ての黒幕が俺様だということを含めてだ…
 意外に美緒の行動は素早かった…草食動物の動き…危険を察知した草食獣が逃走に全てをかける様に、美緒はその場から逃げ出そうとした。
 賢明な判断であったが、すでに遅すぎた…隣の部屋では、撮影の準備は完了して主演女優の登場を今や遅しと待ち構えている。
 無論の事、特別スタッフの名目で集まった新作ディスク…「図書局員・如月美緒…凌辱」の特別サービス付き予約者達もだ…





   題三話

「まずは、予告編から…だ」
 モニターの中に従兄弟の如月美緒の姿が映し出されて行く…



 図書館で本の出し入れをしている姿(脚立を上がり降りするたびに、スカートから白く綺麗な足と下着がチラチラと見て取れる)アップされた胸元からは下着が見て取れる、しゃがんだ姿の彼女のスカートの内部が絶妙な角度で映し出され、白い下着がアップになる…やがて、画面は切り替わり弁天寮の大浴場で着替えをしている美緒の姿が映し出されて行く、他の女性達が女だらけということもあってか大胆に着ているものを脱ぎ捨てていく中で、美緒はどこか恥ずかしげに服を脱いでいく…解かれた髪をアップにして、下着を脱いでいく…白いキャミソールがストンと足元に落ちる、



 乳房を包み込んでいた小さなブラジャーが胸から外され、小ぶりだが白くまろやかな膨らみと先端にある小さな乳首を外気にさらした…腰から外された小さな布切れを丁寧に畳まれ置かれている衣服と下着に入れて、美緒は浴場へと向かっていあった…そして彼女の寝室が映された所で予告は終った。
 俺は、デッキの一時停止ボタンを押して画像をそこで止め、呆然と言うか…驚愕の表情を見せている五月の方を振り向く
「そんな…何もしないって…後輩の子達には、手を出さないって…約束したじゃない!」
 五月の悲鳴混じり絶叫を聞きながら俺は答えてやる。
「約束したさ…公安の後輩には、手を出さないとな!でも…こいつについては、何の約束をした記憶もねえよ!」
 俺は、一時停止にしていたデッキのボタンを解除する…予告が終わり…本編が開始され始めた。
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 狭い室内を彼女、如月美緒は小動物のように必死に逃げ回る。
「いやぁぁぁーーー!」
 狭い室内である、数人の男に逃げる先を阻まれた美緒が、間隙を突いて男達の手から逃れようとするが、髪の毛を掴まれて引き倒される。
「あうっ!」
 ガクンッと頭が引き戻され、そのまま床に押し倒される、必死になり悲鳴を上げて抵抗するが、苦も無く押さえ込まれ制服を引き裂かれていく、跳ね飛んだボタンが乾いた音を立てて床に散らばる。
 白いキャミソールが露になるが、それも次の瞬間には、下に着けていたブラジャーごと引き千切られ、隠されていた乳房が露になった。



 男達が乳房に群がる、制服はさらに引き裂かれていき、上半身が裸になっていく…白い膨らみが男達の手で捏ね繰りまわされる…
「いやっ!やめてください!やぁぁーーー!んぐぅふぅぅ!」
 悲鳴を上げている口が、男達の口で塞がれる、剥き出しになった小さな乳首を男達は、摘み上げたり口に含んだりしながら弄ぶ…
 美緒の口を嬲っていた男の一人が、口を押さえて飛び上がる…男の口元から血が滴る…怒りに燃えた男が、美緒の顔を殴りつける。
「がはぁっ!」
 眼鏡が吹き飛び、鼻から血がたれる…さらに男の拳が、美緒の顔に叩き込まれ、今度は口元から血が滲み出す。
 撮影している男達は、その行為をとめない…なぜなら今回の撮影の基本は、壊れていく姿を撮影するのが目的であったからだ。
 無論、身体を壊すというわけではない…心を…精神を…人としての人格を徹底的に破壊して、牝奴隷とすること…それが目的であった。
 だから、これくらいの行為は許容範囲であったのである。



「うっ…うぅぅ…」
 吹き飛んだ眼鏡が回収され、鼻血を出してうめいている美緒の顔に再びかけられる…そして、凌辱は再開された…


               第4話


「よして…やめて…美緒ちゃん…美緒ちゃん…いやぁぁぁーー!」
 モニターの中で、男達に嬲られている如月美緒の姿を見ている五月が、うわ言の様に呟き、そして絶叫する。
 五月…律子にとって従兄弟の美緒は、妹のような存在であった。



 家同士が近所にある上に、年齢も一つしか違わない、そのせいもあり幼馴染の学園探偵共々に子供の頃から姉妹のように付き合いがあった。
 美緒が、自分を追いかけるようにして蓬莱学園に入学してきたのは驚いた…そして同時に、彼女のためにも、この学園の平和と正義を守らなければならないと心の中に決めたものであった。
 その彼女が、目の前のモニターの中で男達に嬲り犯されいる…悪夢以外の何物でもなかった。
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 予告を抜かして、約90分…これが、このディスクに収められている、如月美緒が凌辱され壊されていく映像の時間だ。
 その90分と言う時間の中で、美緒は何人もの男達に嬲り犯されながら、心を壊されていく…無論、このディスクに収めらている映像は、編集を施したものであり、実際に90分と言う時間で美緒は壊されたわけではない…
 実際の時間で言えば、美緒が撮影場所に連れ込まれたのが夜の午後8時、そしてこのディスクの最後に収められている画像に辿り着いたのは、翌日の午後3時…約19時間もの間、美緒は休むことすら許されずに、男達の欲望の餌食となり、その肉体を食い荒らされ、精神を蝕まれ…壊されたのである。
 無論の事、俺はその一部始終をリアルタイムで見ていた。
 全裸に引き剥かれた美緒が抗い抵抗するのを、その抗いが楽しみと言うように男達が、美緒の身体を捻じ伏せて強引に犯していく…
 濡れていない秘所に男の逸物が捻じ込まれ、美緒に悲痛な叫び声を奏でさせる…尻の穴に破瓜の血と自分が放出したザーメンをローション代わりにして強引に突きこみ、白目を剥き悶絶する美緒の口に、逸物をしゃぶらせ顔面に白濁した液をぶちまける…




 蹂躙された乳房は、爪でえぐられた様なミミズ腫れの痕が幾筋も刻まれ、唾液に濡れた両の乳首は、糸で結び合わされいる…
 長丁場…男達は交代で休みと食事を取るが、美緒にそのような物は与えられなかった…19時間に及ぶ凌辱の中で美緒が口にしたのは、男の精液と小便…それだけであった。
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                      第5話


 モニターを見る五月の姿を見ながら俺はどす黒い喜悦に満たされいた。
 ある種の人間は、痛みに対しては肉体的にも精神的にも驚くほどの耐久力を発揮するタイプの奴がいる、言うならば己と言うものをしっかりと持った意志の強い人間…この女のようなタイプだ。
 しかし、自分の痛みには驚くほどの耐久性を示すが、自分以外の者…特に自分にとって深い関係のある人間に対して加えられる痛みに対しては、意外なほどまでに脆く屈服してしまう場合も多い…この女も、そのような…自己の痛みは強いが自分以外の者の痛みに対しては弱い…と言うタイプの人間であった。
 だから今モニターの中で繰り広げられている凌辱劇の映像は、今までに自分が受けてきた肉体的精神的な凌辱の数倍に値する苦痛を与えている筈であった。
 俺は、さらに得々として言う。
 なぜ、美緒がこのような目にあっているかを…貴様を探していたせいだと…だから目をつけられたのだと…全てが貴様のせいなのだと…
「おねがい…やめさせて…おねがい…おねがい…美緒ちゃんをたすけて…おねがい…」
 モニターに映し出されている映像は、すでに行われた過去の映像である、当然ながら止めさせる云々という話ではない、それでも五月はモニターの中の映像と俺に対して、うわ言の様な哀願を繰り返す…今迄で一番、弱々しくも脆い姿を見せながら…
 その姿に俺は、更なる充実感に満たされた。
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 90分と言う時間が過ぎ去り、ディスクが終わりを迎える…モニターの中の美緒は、ピクリとも動かずに、その身体を横たえている…
 黒く長く綺麗であった二つに分けられていた髪は、右の部分がバッサリと切られており、アンバランスな印象を与える、美人と言える整った顔立ちは犯され続けた恐怖と絶望、そして加えられたか暴行により痣が浮き出て、涙と精液でグジャグジャになっていた顔には、奇跡的に破損の無い眼鏡がのせられているが、その眼鏡の奥にあった優しげな瞳は、すでに何も映し出している様子は無く、ただ空虚な眼差しを彷徨わせている…首筋から乳房にかけては、無数ともいえる加虐の傷痕が痛々しい上に、両の乳首は二重三重に糸で結び合わせられ、その中央に鈴が吊るされいた。
 散々に嬲られた下半身は、男たちのはなった精液でドロドロになっており、大きく押し広げられたままの状態の足下まで、精液溜まり出来あがっている。
 それは、すでに如月美緒と言う女性ではなく、精液の詰まった肉袋といえるような状態であった。
 無残な美緒の姿を映し出していたモニターが、黒くフェードアウトしていく…そして、ディスクは終わった…
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                         第六話

「美緒ちゃんを返して!解放してあげて!私なら何でも言うことを聞くから、お願い!」
 ディスクの最後に映し出された美緒の無残な姿が脳裏にこびりつく…そして律子は考える…自分は、ディスクを撮影されたあと、二級生徒に落された末に、この店につれてこられて客を取らされている…多分、美緒も似たような状況になっているに違いない…自分はもうだめだろう…でも、せめて美緒だけでも助けてあげたい…陽の当たる場所に返してあげたい…だから律子は懇願する…必死の思いで…
 そんな半狂乱とも言える五月の姿を見ながら、俺は笑い出したいのを必死にこらえて逆に質問した。
「なあ?この間わたした薬…使っているか?」
「薬…薬って…あの、中絶薬の事…?」
 俺はうなずく、そして話し始める…あの薬がいかに高価な代物だったかを…そして、その薬をいかにして手に入れたかを…
「あの薬はな、狂的科学部の連中が作った物で、俺が特別に譲ってもらったが、代金の支払いがまだだったんだよ…本来なら、御前の稼ぎから代金を抽出して支払う予定だったんだが、お前…最初の頃脱走を何回もしたろ?」
 俺は話を続ける…お前の脱走のせいで、予定した金は入らず、それどころか脱走のペナルティ料金すら店から支払うように言われ、結果として薬の代金の支払いが遅れていた…と。
「それが…それが、美緒ちゃんと何の関係があるの!」
 俺は、懐からもう一枚ディスクを取り出すと、デッキにセットする。
「これは非売品のディスクだ…さすがに刺激が強すぎてな、売り物にはならなかったんだよ」
 俺はデッキの再生スイッチを再び押した。
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 再生されたモニターの中に風景は、いかにも狂的科学部…と言うようなごちゃごちゃした実験室らしき場所が映し出されていた。
 その中の、手術台と思しきベッドの上に彼女…如月美緒が身体を大の字に固定されている、切られた髪の毛こそ元に戻ってはいないが、身体に加えられた加虐の痕は薄くなっており、あの凌辱劇から幾らかの日数がたっていることを想像させた。
 大きく広げられた股間に白衣を着た男が近寄っていく、その男の手には一升瓶が持たれており、白濁した液が蠢いているのが透けて見えている。



 狂ったように悲鳴を上げ、必死に逃れようとしている美緒の姿が見て取れる。
 男の手が、その一升瓶を股間に押付ける、中身が意思を持つものかのように、ゴポゴポと膣の奥へと流れていく…ビクビクと身体を痙攣させる美緒の股間に、さらにもう一本の一升瓶があてがわれ、注ぎ込まれていく…
 プクリ…と膨らんだ美緒の下腹部蠢くのが見て取れる、その時点でいったん画面が黒くなり終了する。
 黒くなった画面に白抜きで・・・

                      『 三日後 』

 と言う白抜き文字が現れ、再び同じ場所が写される、同じように美緒も手術台らしきベッドに相変わらず固定されていた…ただ、固定されている美緒の腹部は、まるで妊婦に大きく膨らんでおり、その腹がビクビクと中から蠢いているのがわかる。




 ベッドの上…狂気の相貌をすでに見せている美緒の表情がアップで映し出され、続いて股間へとカメラが移動していく…膣口が半透明の液を流している…破水である…膣口が大きく開いていき、身体の内側より何かが出てくる…ズルリと意外にスムーズに、それは膣口より排出された。
 排出されたものにカメラが焦点をあわせる…排出されたもの…それは、豚の赤ん坊であった…
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                  最終話

 その、あまりにも予想外の映像に五月は、その場に座り込み呆然と…まるで痴呆患者のように視線を向けていた。




「そう…如月美緒は、お前さんの薬の代金の換わりにと、狂的科学部に生体実験用に売り飛ばしたのさ、無論のこと如月美緒と言う学生は、もはや存在しない…新しい名前は、二級生徒・新島若葉だ」
 止められていないモニターの中では、さらに映像が流れている…
 豚の子を産んだ如月美緒…いや、新島若葉に再び同じことが繰り返される、ただし今度出たテロップは『 2日後 』となっており、生み出されたのも豚ではなく犬の仔であった。
 さらに『 一日後 』となり猿の子供を生み、『 12時間後 』となり山羊の子供を生み、『 6時間後 』となり馬の子供を生み出したところで、映像は終わった。
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 俺は笑いながら言う。
「今じゃ、妊娠から出産まで3時間かからないそうだ…ちょうど、お前さんとこの部屋に入る前に、妊娠させたからな…そろそろ出産する頃かな?」
 俺は、携帯で外に連絡をする…個室のドアが開き店の連中に引き立てられた如月美緒…いや、新島若葉が現れた。
「美緒ちゃん!」




 虚空を漂うような視線…すでに正常な意識は持ちえていない事は一目瞭然であった。
 大きく膨らんだ腹が蠢く…破水が始まり、何かが産み落とされる…
「人の…赤ちゃん…?」



 五月は産み落とされたモノを見て言う…産み落とされたのは、少なくとも人間の赤ん坊であった。
 赤ん坊が大声で泣き叫ぶ…俺は、産み落とされた赤ん坊を拾い上げると、それを五月に手渡して言う。
「このガキを妊娠させたザーメンの遺伝子は、お前のをベースにして作り上げた…文字道理、お前ら二人の子供だ…せいぜい、可愛がってあげな…」
 そう言って俺は、部屋から出て行く…閉めたドアの中から、狂気の絶唱がドアを貫いて聞こえる…俺は、その叫び声お聞きながら満たされた…

                       終