蓬莱学園の淫日!




其の6


 遠くで人々のざわめきが狂気の色を含んできて、彼女を取り巻く環境もそれに合わせるように熱を帯び始めていた。
 儲けられたステージが男達の垣根の向こう側でちらほら揺れていて、巡回班の半被が目撃出来た。
 しかしその巡回藩士はけして彼女の事を助けてくれることは無い、なぜならその巡回班士は今誰か知らない人の所有物になった所だから、彼女小田弘枝と同じように……

 その時弘枝は弁天領から一区画向こうの駅で路面電車の時刻表を見ながら待ち合わせの時間を気にしていた。
「あ〜ん、遅れちゃうよ〜、やっぱり今行ったばっかりだ。えっと次来るのは20分も後! 冗談、やすゆき帰っちゃうよ〜」
 この一年同じクラスで過ごしてきた男子生徒と年末のお祭り同好会主催の年越し一週間大宴会でようやく自分の意思を伝えての今日が初デート。
 何があっても遅れるわけにはいかないのに、気合いを入れすぎたメイク(そばかす消すのが大変で)の為少しばかり遅れていた。
「どうしよう、走って行くにしては遠いわよね」
 ピー……ガタンッガタンッ
 線路が鳴り遠くから車両が近づいて来る音がした。
「時刻表には無いわよ…… ラッキーこれでギリギリ間に合うわ」
 ついさっき一本前が通過したばかりなので駅には弘枝のほかには二人の男子生徒がいるだけだ。
「すいてるし言うこと無いわ」
 ゆっくりと車両が止まると中には誰も乗っていなくて、乗り込もうとした瞬間
 ドンッ
「キャッ」
 何が起ったか弘枝にはとっさに理解出来なかった。
 背後から突き飛ばされて車両の床に転がっていた。
「痛いわね、何するんですか!」
 先程からいた二人の男子生徒が弘枝を見下ろしていた、ゆっくりとその背後で扉が閉まって行くのがどこか象徴的だった。
「まあ気にすんな、おめえはもうどこにも行けないんだから」
「何言ってるの」
 謝る気配の無い二人に腹が立ってはいたが無視して立ちあがるとそこから一番遠い座席に座ろうとした。
「待てよ」
 一人が弘枝の腕を勢いよくつかむと背中に捻り上げ、手慣れた感じで縄をかけていく。
「何するの! いやぁぁぁぁ やめて、放して! あが」
 もう一人の体格の小さい方が弘枝の口を捻るようにしてあごを外して黙らせると、弘枝の顔を値踏みでもするようにジロジロと観ている。
「どうだ?」
 弘枝を縛っている体格の大きい方がたずねると
「評価はBってとこだろ」
 少しがっかりしたように言う。
「じゃあ……犯っちまってもいいんだな」
「ひがぁ! はへへぇ!」
 即座にブラウスを引き千切りにかかった大男の下で歪んだ口のまま弘枝は悲鳴を上げる。
 パンティを脱がすのももどかしげ肉の狂気を取り出した大男は……
「じゃあ、頂きます」
 前儀も無しにいきなり覆い被さっていく。
「ひぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっぁぁぁぁぁっぁっく」
 ズブリッ
  プツリッ
   ツツツッ……
「入った、キッツイぜ、兄貴!」
 腰が止らなくなったように大男は弘枝の肉壷から快楽を擦り取っていく。
 ズビュッ
  ズシュッ
   ズチュッ
「ほらこれ飲んでおけ」
 車両の中央で何かしらやっていた兄貴と呼ばれた体格の小さい男は大男の口の中に薬をほおりこんだ。
「香をたいたんだな、兄貴」
 にやりと笑うと
「これを吸うと身体の自由は奪われるくせに感度は上がる牝奴隷を仕込む時に使うもんだ、性愛研でも限られた人間しか手に出来ない一品だぜ」
 そう言いながら、座席の手摺に弘枝を縛りつけていく。
「じゃあ、縛らなくてもいいんじゃ……」
「うるせぇ オレが好きなんだよ」
 抱えたまましばらく中断していた大男が腰を揺さぶりはじめた。
「ひぁぁぁぁ」
「何が言いたいんだ、言ってみろよ」
 弘枝のあごを元に戻すと男は勝利者の笑みでいう
「止めて、これから彼の所に行くの…… だからゆるして」
「けひゃひゃひゃひゃ! もう気にすんなよ……男の事なんざ」
 自分も逸物を引っ張り出した男は弘枝の顔をまたぎながら……
「な、何で……私が……」
「運が悪かったんだよ、まあB判定じゃオークションの本番前に今奴隷がいないんで取り敢えず見栄で奴隷を持ってないと体面が悪いって人達相手に渡す事になるんだろうな」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁがほっひゅ」
 取り乱して叫んだ弘枝の口に男が己の分身を突き入れる。
「噛むなよ、俺達はこれからお前を待ってる生活に慣れさせてやる為にこうしてやってるんだぜ」
 都合のいいことを言いながら口腔を犯して行く。
「誰か乗ってくるぜ、兄貴」
 路面電車の運転手も彼等の仲間である、女が一人の時は乗せるように段取りが付いていた。
「はふへへ!!」
 弘枝は大声で助けを求めようとしたがそれは空しくも男のペニスを振動させ快楽をあたえるだけの結果にしかならなかった。
「おお、いい気持ちだ、出すぜ!飲め!!」
 ドプッ
  ドププッ
   ドプププッ
 ゴクッ
  ゴクリッ
   ゴックンッ……
 男の物が口から出され糸を引いているのをまるで他人の事のように眺めていながら、さっき乗ってきた巡回班の女生徒が大男につれられて隣に転がされた。
「た、助…… たすけ」


 そうあの時と同じだ、まだ二日とたっていないがもうはるかに昔のように思える。
「やっぱり助けてくれないのね、彼女は……」
 弘枝は四つん這いの姿勢のまま全身を革の紐で拘束され、オマンコにバイブを入れられて、菊門に昨日彼女を買ったご主人様の肉根を埋め込まれた状態で御主人様のテーブルの下にいた。
 その脇を悲鳴を上げながらあの時助けてくれなかった茂内あられという巡回班士が引き立てられていく。
「私も、彼女ももう助からないのね、やすゆきにももう会えないのね……」
 ドプリ……ドクドク
 彼女に中でご主人様が果てた。
「ふう、弘枝お前も欲しいかい?奴隷…… 主催者達が君よりも上等だと判断した女買ってやろうか?」
 魅惑の言葉……
「お前の気晴らしにちょうどいいだろう……私に忠誠を誓うかい?」
 誰も助けてくれないなら……
「お前よりも価値が在るという世間の評価が間違ってると思わないか……」
 全てを堕としめるのもいい……
「はい、ご主人様私はあそこにいる女達が憎いです…… どうせ奪われるのなら」
 何もかも壊れてしまえばいい……
「奪う方がいい……あなた様に全てを捧げ、忠誠を誓います……」
 自分も、それを取り巻く世界も……
「よろしい、君はいい女だ君が欲しいといった女を買う事にしよう、よく見ているんだよ」
 ステージでは新たに公安委員と銃士隊と思われる三人の二級生徒が引き出されて悲鳴を上げていた。

 狂気は再生産されていく物なのかもしれない……




其の7


 未来マリアの下腹部は誰の目から見ても巨大に膨れているのがわかった。
 時折、ドクン……ドクン……と波打つように振動している。
「ふあ、痛い…… 誰か助けて……」
 弱々しくホールの中央の十字架に架けられているマリアはか細い声を上げている事しか出来なかった。
「アァ……! 生まれる…… 何か出て来ちゃうよぉ……」
 バシャァ……ポタポタポタ……
 股間を羊水が流れ落ち、十字架の下の水溜まりを急速に大きくして行く。
 ザワッ……
 今までステージの上に並べられていく商品の競りに集中していた人達が一斉にマリアの方を向いた。
 今まで何度も助けをもとめ、何度も苦痛を訴え、それでも誰一人として振り向く事が無かった人々が、マリアの子宮から流れ出た羊水が床に落ちた音だけでこれから始まるショウに期待して静まり返ったのだ。
「うそ、助けて下さい……」
 静まり返った会場にマリアの声が響く……
 しかし、彼女を助けようなどと動くものは無く遠く響くのはマリアと同じように陵辱の最中の二級生徒達の喘ぎ声だけであった。
「レディースアンドジェントルメン……」
 静寂が十分に行き渡ると、司会者がマリアのすぐ下まで来ていて声を上げた。


 未来マリアがこの蓬莱学園を選んだ事には訳があった、まあ少なからずこの学園に来るものは何かしら世間から外れていたりするのだが……
 彼女は必死に両親を説得し、この学園への入学を勝ち取った。
「マリアも蓬莱学園だって?」
 同じ中学に通う直樹くんは家が宗教家の為に普通に学校に入る事が出来なかったが蓬莱学園だけは彼の宗教を受け入れてくれたらしく、11月にその話が出ていた。
「うん! 私の所はキリスト教だから、お堅い学校行かされそうだったから、直樹君が蓬莱学園の事教えてくれて助かったよ」
 生徒募集の事は願書を取りに行くまで知らなかった、いや先生は意識して避けていたようだ。
「なに、あそこに行けば生徒は自由を手に入れて、好きな勉強が好きなだけ出来るんだってさ、なら仲間は多いほうがいいしさ」
 気さくに理想を語る彼がマリアは好きだった、ただ宗教論ばかりに頭がいって恋愛にはまだまだといった感じだった。
「これから三年間また一緒だね、よろしく」
 三年あれば彼だって少しは女の子に興味を持つかもしれない、その時に脇にいるのが自分でなければ話にならないからわざわざ彼と同じ学校を志望した。
「ああ、よろしく」
 遠い、南の島にある蓬莱学園などという全寮制の学校を……
 出発前夜、おばあちゃんが部屋まで来てくれた。
「マリア、あなたは有り難くもマリア様と同じ名前を頂いたんだから、それに相応しい人間になっておくれよ」
 涙を流しながらおばあちゃんは小さなマリア像を荷物に入れてくれた。
「辛い時はマリア様におすがりしなさいね」
「大丈夫よ、おばあちゃん そういう時は私ならイエス様におすがりするから、きっとマリアって名前だから優遇してくれると思うわ」
「そりゃいいね」
  そうやって二人して笑った…… 
 学園に着いた時あまりの人の多さに圧倒された、生徒ばかりが学園を埋めつくし同じ飛行船に乗っていたにもかかわらず直樹とははぐれてしまった、そしてそれからあっていない。
 もう会えないかもとか考えてしまうほどこの学園はスケールが大きかった。


「さあ、世紀の出産ショウです、皆様ここにいるのは紛れも無い処女、名をマリア!」
 ドラムが鳴り響き司会者は言葉を切る。
 マリアという言葉が会場に行き渡るのを待つように……
「かつて偉大なるイエスキリストが地上に降誕された時と同じ奇跡が いま、この宇津帆の島で起きようとしています」
 マリアの下半身は律動をくり返し、破水した後ひたすら股間をぬらし続けている。
「それがこの島にある技術が可能にしたのです……」
 断続的に襲い来る陣痛の痛みにマリアの意識はほとんどこの場には無くなっていて時折足をたたく司会者によって今自分が見世物となっている事を確認させられる。
「生まれ落ちるのは神か悪魔か…… それは人ではあり得ないのです!なぜなら」
 会場はざわめく、そう司会者の言葉を正しく理解したのである。
 遺伝子を改良した人と獣のあいのこ……
 自然界には決して存在しない者……
 この蓬莱学園にある技術を結集すればたやすいだろう。
 ただ、そのために子宮を貸すような女はいないだろうが、しかし、そう二級生徒ならよかったのだ、その場にいる男達は自分が二級生徒を使う立場にいた事を改めて喜んでいた。
 この場にいた幾人かは確実に帰った後所有する二級生徒で半獣半人を妊らして産ませようと密に、しかし強い意思で誓っていた。
「さあ、当てる事が出来たならこのマリア共々母子を差し上げましょう」
 ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!
 会場中が雄叫びに地鳴りのようにビリビリと響いた……
「助けて…… お願い……私……この学園に来て……まだ6日もたって……ないのに……」
 雄叫びの中夢を見るようにマリアはブツブツと呟き続けていた、瞳にはもう何も映っていないようだった。
「猿!」
「馬だ、うま!!」
「オレはライオンだと思うな!」
 次々に自分達の予想をかたって行く客達は嬉しそうにそれが生まれ落ちる瞬間を待っていた。
「では……」
 司会者が手を上げて合図を送るとマリアの両足が開きながら上に持ち上げられていく、まるで赤ん坊におしっこさせるようなポーズをとらせる。
「くっ……」
 圧迫された腹部に苦痛の声を上げるマリア、だが陣痛がいったん治まってしまったらしく、会場は静まったままただ緊張感だけが張り詰めていた。
「では、牝奴隷の競りを再開しましょう!」
 いつのまに移動したのか司会者はステージに再び立っていた、このマリアの一連の騒ぎの間中、2リットルの浣腸をされたまま放置されていたレイティアの脇に……
「ではこの栓を抜くのは誰だぁ! 100万から」
 遠くで聞こえるその声など耳にも入らず、マリアはひたすら神に祈りを捧げていた。
「助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい…… 助けて下さい……………………」

 彼女には神の声も聞こえなかった……




其の8


「キャア……」
 西神田伊代は足元にあった大きな水溜まりに足を取られるとワイヤーで括ったお盆も放り投げて盛大に転んでしまった。
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ」
 その瞬間に下半身に、いや股間に刺激が走り悲鳴を上げた。膀胱内に設置された袋からマスタードが吹き出したためだ。
「もう……もう……誰か……助けて……」
 すると、伊代を抱え上げてくれる人物がいて
「大丈夫かい?」
 と優しく声をかけてくれた、その声には少しだけ聞き覚えがあった。そう、生活委員会で……

「新入生集まって!」
 先輩の一ノ瀬さんが何人か集めていた、眉目秀麗成績優秀とその年の新入生のみんなが狙う一年上の一ノ瀬には当然のように伊代ものぼせていたわけだが……
「ちょっとしたバイトなんだけどお料理出来る娘いるかな?」
 申しわけなさそうにそう言い出した一ノ瀬に伊代はすぐに手を上げていた。
「私、こう見えても得意です!私やります!」
「そうかい悪いね、助かったよ」
 ほかにも何人かいて流石に一ノ瀬さん相手だとライバル多いなと思っていたのだがそれでも他にアピールのしようも無かったのでこのバイトをやることにした。
「委員会なんかしてるとバイトとかってやりづらいしホントはよく無いんだけどお願いして来たのは入学からの友人でどうしても人手がいるんだってさ、まあ君たち新入生としても委員会以外を知るいい機会だろう?」
 と屈託の無い笑い方をした後で
「と建前、無理を聞いてもらったおわびに僕が何でも言うことを聞くよ」
 すると誰かが
「デートしてください、私たち全員と!」
 その声の後はもう収集不能で口々に順番がどうのとか、誰より先がいいのとかいつの間にやら料理はちょっととか言ってた奴等まで集まって着てとうとう
「集団デートな、そうしようそれで今回は勘弁してくれー」
 という一ノ瀬の言葉でようやく収まったのだ……

「ふっ……一ノ瀬さんの声ガ聞こえるなんてね……私ってバカかな……」
 枯れようの無い涙が頬を伝い、助けてくれた男性にお礼を言う為に振り向こうとした時、その男性が落ちていたソーセージをいきなり背後から突き入れて来た。
「落としちゃダメだな、締まりが悪いのかな?」
 瞬間的に悲鳴を口の中で押し殺した、このパーティーが始まってからこっちそれで何度お仕置きを受けたかわからない。
「ありがとう御座います……マスタードはお入り用ですか?」
「しつけはちゃんとされたんだね」
 そう言いながらその目の前にいる男性はマスクを外してみせる。
「一ノ瀬さん……ぎゃゃぁぁ」
「ご主人様の一人じゃ無いのかい?」
 彼の名前を言った瞬間にクリトリスに付けられたワイヤーが引かれた、その衝撃でさらにマスタードが体外に排出されて刺激になり、無限に続くかに思える連鎖があった。
「面白いよ……」
「なぜ……なんで……」
 仕置きされようとも聞かないわけにはいかなかった、憧れた人、この学校に入って最初に出逢った素敵な異性……
「何故って……バイトだよ、そう言ったろ料理の出来る娘を集めてくれって友人に言われたからさ……」
 罪の意識すら無く軽く彼は言ってのけた、そうバイトだと。
「そんな……それで私たちを……こんな目に会わせたんですか!」
 気が付けば声も大きくなって来て。
「頼まれちゃったからね……でも安心して、ここにいるって事は可愛いって事だからさ、不細工な女は料理を本当に作ってるはずだから、君は可愛かったんだよ」
 そんな言葉で何を慰めようというのか今にして思えばこんな男になぜ熱を上げていたのか伊代にはわからなかった……
「うるさい!アンタなんてサイテーよ!」
 平手が飛び彼の頬に当たる寸前に彼の手によってそれは止められた……
「いい度胸だ、こんな所で客として来ている私に歯向かうとは……御仕置きだね」
 一ノ瀬は指をパチンとならすと慌てたように人がやって来た。
「何か失礼でもありましたかお客様?」
 遜った感じでアライグマ男がやって来て、一ノ瀬に頭を下げる。
「この二級生徒が、僕に手を上げようとした、どうするんだ?」
 その訴えにアライグマの表情は鬼面へと変るのがわかった……伊代はその表情を見ただけで腰が砕けてその場に座り込んでしまう。
「これはとんだ粗相を……」
「いやぁぁ……ひぐぅ……ぎゃぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっぁあああああああっぁぁ」
 即座に交換用のマスタードを媚肉の隙間から大量に流し込みその場にあったソーセージの一番太いものでおもいっきり抽送をして悲鳴を上げさせると、それを取り出し献上するように一ノ瀬の前で膝を就いてみせる。
「これを召し上がって下さいませ……」
 たっぷりとマスタードと伊代の液体が付いたソーセージを受け取ると、一ノ瀬はおもむろに倒れている伊代の肛門にそれを突き刺し
「はぅ……ぐぎゃぁああぁぁぁぁぁぁぁ」
 抽送しながら、アライグマに向き直り
「これでは満足しないよ、あれがあったろう、ほらソーセージメーカーが挽き肉を腸詰めする機械がさ……」
「仕置きであれを……分かりました……準備します」
「なあ伊代君……ウインナーソーセージってどうやって作るか知ってるかい?」
 一ノ瀬の表情には恍惚としたものがあった。
「普通は動物の腸の皮に挽き肉を入れて薫製にしたりするものなのだけど、美食の物はそれでは済まなくなってね……」
 伊代の方ににっこりと微笑むと
「人間で作るんだよ、生きたままね……内部で挽き肉が固まったらお腹を切り裂いて取り出すしか無いんだけど、そうなってようやく美味しいものになるんだ」
 狂人のコメントだった……
 そこへコロコロと腸詰め器を押しながらアライグマ男が帰って来た。
「いやぁ……いやぁ……助けて……死にたくない!」
 助けを求めるように這って来た伊代を手際よく腸詰め器の前で拘束しその注入管を肛門へと入れていく。
「ひぃぃぃっぃぃぃぃっぃっぃぃぃぃぃ……あとで後で私の事もらうって言ってたじゃ無い! なんで……殺さないで……いやぁあああ」
「御仕置きじゃ仕方ねえだろ、縁が無かったとあきらめるさ……」
 その言葉に遂に伊代の意識がブラックアウトした……
「いやぁぁ……ふっ……」
「いい女だぜ、こいつは」
 アライグマは笑って言い
「感謝しろよ……」
 一ノ瀬も頷いてみせる。
「まあ、腸詰めソーセージを作ってしまうか、排泄させるって事はしばらく黙って置くか?」
「そのほうがいいだろう、まだまだいい声で泣きそうだからな……」
 いいながら二人は挽き肉の他にマスタードやら唐辛子とか刺激の強そうな物だけを機械に入れていく。
「後はボタンを押すとズンズン体内に入っていくという寸法か楽なものだな、あまりに感慨が無いが……」
「それなら大丈夫だろ、それだけ刺激的な代物だ、一発で目がさめそうだ」
「檄カラじゃ済まないぞ、誰が食べるんだ?」
 呆れたように言う一ノ瀬に答えは回りから帰って来た。
「我々が食べるよ……仲間に入れてくれないかな」
 舞台のショーを見ているとばかりに思っていた回りの客達も伊代と二人の異様な様子にじっと様子をうかがって参加の機会をうかがっていたらしい。
「おう、いいぜ相手はどうせ二級生徒だ、みんなで楽しもうぜ」
 そう言いながらボタンを押すとビクンと跳ね上がるように伊代が意識を取り戻した。
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
 その悲鳴は舞台の上でマイクが拾ったレイティアの排泄音にかき消された。
 そして伊代は、地獄はまだ目の前にあり終わりが死のみという事を魂に刻もうとしていた……




其の9


「……」
 蘭蘭は口に加えたスイッチを緩めるとようやく人心地付いたように肺に空気を吸い込んだ……
「なぜ……」
 何度目かの疑問を口の中で反芻する……
「ビール入れなくちゃいけないんだけど……」
 身体を折っている為に直腸への注入は応える、サボっているわけじゃないがついつい入れるのをためらわれるうちにビールはほとんど無くなっている
「出ないぜ」
 一人朦朧と思考の迷路に入り込んでいた蘭は一人の御主人様の声でこの会場に引き戻される
「ただ今すぐに」
 そう言った瞬間日本酒用の組み上げスイッチを口から落してしまった……が今はそれよりビールを空にした事がラッコ男に知られるのが恐かった。
 ブィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン
 ゴボゴボ……
 モーターの組み上げ音がみるみる内に彼女の下腹部を膨らませていくのが見て取れた
「あぐ……あがががが……」
 何度も空にされ何度も注入して、既に何十リットルのビールを浣腸された事になるか想像もつかない。
「どうぞ……」
 消え入るようにそうご主人様に申し上げる
「二級生徒? いまミスしたんじゃないのか?」
 その男は理解したように嫌らしい笑みをマスクから出ている口元で表現する
「ごめんなさい! ごめんなさい! すいません……」
 ビールをジョッキに排泄させられながら蘭は謝る事しか出来なかった。
「蘭?」
 その男は突然彼女の名を呼んだ
「え?」
 戸惑いの中でその男はマスクをズラして見せる
「俺だよ蘭……何だおめえ二級生徒だったの? ちぇ……気を使って損した」
 その男はこの学園に来てから知り合った恋人……いや元彼である
「佐井……君……」
 初めて女性として愛を語らい、処女を捧げた相手……そしてほんの僅かな行き違いに別れた相手……
「俺とやった時は血が出なかったのはスポーツしてるからじゃ無くて処女じゃ無かったからなんだな、損したぜおめえみたいな二級生徒の言う事真に受ける何てな!」
 別れたとは言え酷いいい様だ
「違う……違うわ……私」
「黙れ!二級生徒!」
 騙されてここに連れて来られたと言うよりも早く、佐井の視線は冷たく拒絶していた
「二級生徒の分際でよくも俺をふってくれたなぁ」
「私はふってなんか、ぎゃ!」
 蘭に何も言わせないように彼女が落したスイッチを押して子宮の奥深くへ日本酒を流し込んでいく。
「他のスイッチも貸せよ!」
 目の前にいる男は優しい男だったはずだ……
「やめて……お願い……」
「五月蝿い!」
 佐井はビールとワインのスイッチを無理矢理奪い取ると
「いや……お願い……」
 同時にスイッチを入れた
 ヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィッヴィヴィヴィヴィヴィヴィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン
 同時に汲み上げモーターが唸りを上げて蘭の下腹部を圧迫する
 ビシャビシャと音を立てて床に日本酒は散らばり、妊婦のそれのように腹部は腫れる。
「あががががががが…………………………」
 途中からもう声は出なかった、彼女の目がグルンとまわって意識を手放す……
「もう終りか」
 佐井は日本酒をすすりながら
「このくらいじゃ気が晴れないぞ……俺を騙しやがって」
 狂人の顔をしていた
「如何いたしましたか?この二級生徒が粗相でも?」
 ラッコ男が筋肉質の身体で側まで来ていた
「ああ……俺を騙したのさ」
 そう一言だけ言う
「ほほう……それはいけませんね仕置きにかけなければ我々としましても面目が保てませんが……参加なさいますか?」
 物腰の低いしゃべりの中に有無を言わせぬ迫力があった
「おう! やるぜ」
 そのまま承諾を受けるとちょうど開いたステージに向かってラッコ男は手を上げる

「レディースアンドジェントルマン……」
 競りの途中で新しいショーが入った事を観客は歓迎した……ステージには少し高い位置にビールでいっぱいにされた下腹部を膨らましたまま蘭が気を失って座らされていた……
「さて?ワインでも?」
 そう言いながらラッコ男は膀胱内のワインを全て振る舞うようにステージ側の客達に飲ませてしまう
「これからこの二級生徒に御仕置きといきます、今までワインが入っていたこの膀胱に……」
 一本の瓶を取り出して
「こいつを入れて起こして差し上げましょう!」
 ウォッカと呼ばれる火を付けたら燃えるような酒である、当然刺激も……
「そして……床にも先にこうね」
 ステージの端まで床にウォッカをラインを引くように撒いていく、その先には佐井が立っていた
「さて、どう仕置きかと言うと……」
 軽く説明しながら膀胱への管を瓶の口に刺してスイッチを入れる
「ぎゃはああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
 あまりの刺激に蘭が意識を取り戻すが、構わず入れ続ける
「痛い、痛い……いやぁ……おえ……うぷ……」
 刺激に吐き気をもよおすほどであった……
「お願い……もう止めて……」
「さて御仕置きです……」
 コアラ男が指をさすと佐井はマッチに火を灯して先ほどこぼしたウォッカの上にかざした
「あそこで火を付ける、膀胱の管は抜いて上げる……」
 恐ろしい事を説明していた、火が彼女の膀胱を焼くよりも早く火を消さなければいけないのだ
「肛門を閉めてるものを体内から圧力で吹き飛ばし、ビールの水分で火を消すのだよ!いいね」
 しかし……そんなことが出来るわけがない、ただでさえ爛れそうに熱い膀胱の線を抜かれたら先に飛び出すのはウォッカの方だ、すると膀胱と床が繋がり火もまたやって来る
「無理よ……いやあ……」
 どう考えても不可能だった
「まあ肛門が裂けるかも知れないが……二級生徒のくせに一般生徒を騙した罰だこのくらいは当然だな」
「私……私……二級生徒なんかじゃ無いのに……」
 肩で嗚咽を漏らしながら蘭は堪えきれずに泣き出した
「さあ……はじめよう!」
「おう!」
 佐井が反応して声と同時にマッチを落し、ラッコ男が膀胱に入っている管を引き抜いた!


「いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
















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