そ-よ「逃亡に失敗しジ○ン兵ゲリラへ」

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「あぅ……」
 女性の隊員が居ない山岳基地は飢えていたのだろ
「今日は寝ていいぞ」
 昼夜をおかずにもう何百人に使われたかわからなかった

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「だからといって……」
 寝ているわけには行かないのだ
「場所はわかったんだから」
 それでもジェニファーは自分の仕事を忘れてはいなかった

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「油断よね……」
 手は拘束されたがドアに鍵はかけられていなかった
「急がないと」
 こんな目に遭っていてもジェニファーは軍人だった
「まだ……側にいるのかな」
 出口までのルートモわかっていたから、走りだした

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「きゃぁ!」
 手が拘束されていては思った様には走れなかったから……いや、そもそも足元が暗かった
「くっ!」
 自分の迂闊さを呪ったがそれもう後の祭りだった
「まて!」
 その声はジェニファーが立ち上がるよりも早かった

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 グィ!
 押し付けられたのは銃口と男根
「どっちがいい?選ばせてやるぞ」
 死ぬ気は無かったから
「わかり……ました」
 そして男根を咥えていく
「がぼっ」
 徐々に集まってくる男達が全身に纏わり付くのにたいした時間はかからなかった

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 ドロ……
「おわった……」
 あれから時間を空けずに更に凌辱は続いた……
「やっぱりこの娘気持ちいいぜ!」
 そう言われてもうれしくなどは無かったが

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 そして一人がまた入ってきた
「ひっ!」
 擦り切れるまで嬲られた身体の痛みが心を折るのだ
「ほらよ……」
 だから差し出されたものが何かはわからなかった
「少しは落ち着くからよ」
 それはタバコだった
「麻薬?」
 すぐにそう考えてしまったのは、ジェニファーにとってそれが縁遠いものったからだろう
「あはははははははははは!普通のものだよ」
 
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「あ……ありがとう……ゲホゲホゲホ」
 男は身体に触れもせずに隣に座ると
「あははははははははは! 吸えなかったか?悪かったな」
 笑っていた
「まあ……ここにいる連中も本質的には悪い奴等じゃない……故郷に帰りたくても帰れない……掃討戦に近い戦いしかないところで……ほら」
 そう言いながら制服の上着をくれた
「これ?」
「山だからな、夜には冷える裸はきついだろう……俺のだが、洗濯はしてるよ」
 久し振りに人間と会話をした気がするジェニファーだった

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 しばらくはその格好をしていた、抱かれる時は制服を汚さないように自分から脱いだ
「もう逃げないわ……」
 追い詰められた時にちょっとした優しさが嬉しかったのはある、しかし
「それだけだもの……」
 何を考えているのか自分でもわからなかった

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「ほい、あんたらも食べるんだろ?」
 ズイッと差し出されたのは小さなショートケーキだった
「え?ええ……」
 普通に食事を与えられるようになって毎日を暮らしていた、今日が何日かもわからないほどに、仲間が接触してくる気配すらないから動き様が無かった
「今日はクリスマスだぜ……欲しいものを祈るべきさ」
 照れたように笑う
「クリスチャンなの?」
 ジェニファーの問いに
「今日だけは……な……ソロモンが落ちたんだよ……通信が入った、基地の中はみな怯えてる」
 その言葉は重たい、ジェニファーの部隊の任務は終ったと言っていいWBはおそらくソロモンで活躍したことだろう……
「何か欲しいものが?」
 そして彼はじっとジェニファーを見た

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 ドドドドドドドドドドドドドドドドドン!
「ひっ!」
 大地がうねる、ただの地震ではない
「爆撃?」
 ここにも攻撃が加えられることになったのだ……
「ちっ……逃げるなら今だぜ!お仲間に回収してもらえ! あ……南極条約に違反していたってのは内緒にしてくれると嬉しい」
 先ほどまで違う言葉を言おうとしていた男は戦士の顔になった

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「私は……ストリッパーしてたし」
 密約の為に来たのだから
「早く行きな!」
 背中を押された
「でも……」
 彼を置いて……
「何してる!俺は戦うんだ……皆を逃がす為にな」
 そして彼は走って行った

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「私がいるってことはわかってるはずなのにね……」
 爆撃をしている様は心を寒くさせる
「044……ジェットコアブースター……」
 自分達の艦に搭載されていたモノが目視できた
「はぁ……これが……」
 戦争に勝つということなのだろうか?

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「でも……こんな身体にされて帰れないかも……それに」
 理想無く戦う者達をもう見たくは無かった……
「ここの人たちは」
 彼が制服をくれた時から、少し変わったから
「ジ○ンはそれでも……酷い事をしてきた……だから私は……私は……」
 自分が女だと理解出来た……
「あれだけ輪姦されたあとで……なんで乙女出来るのよ、私って」
 だから振り向いた……もう帰らないと決めた

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 終戦はジェニファーには関係ない事だった
「ジェニファー移動する!味方のいる場所がわかった!」
 あれから3年近くが経っていた
「U-コンからの情報?」
 彼はにっこりと笑うと
「星の屑が降る……まだ……独立戦争は終っていない」
 そう言われると
「じゃあ、合流して……それから……」
 それから……

 ジェニファーは正式な資料によるとクリスマスの夜に戦死している事になっていた