胎内と腸内の改造
基地は何事もなかったように平静である、しかし見知った人が一人もいない。

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 一歩歩く度に身体が振動してる
「んんん……」
 大地を引きずるコードの振動も加わって
「んんんんんん!」
 何度も絶頂に登らされている

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「これ……」
 気が付いたときには下腹部が徐々に膨らんできていた
「ひあ! ああ」
 それは、今まで経験したことのない熱さだった

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「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」 
 次の瞬間には膨らんだ腹部を抑えながら大地を転がる
「死ぬ! ひぁ 死んじゃう!」
 全身からありとあらゆる液体が放出されている気分だった
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

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 グイッ 
 無意識にその元凶であろうコードを引きぬこうととするも、それが無駄な行為なのは実証済みだった
「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
 苦痛に耐える時間は無限かとも思えた

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「ん……んん……」
 目は覚めた、つまりは寝ていたということである
「え……?」
 寝ていたのである

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 最初にしたことは
「お腹!」
 気絶するほどの痛みを伴った腹部の腫れは引いていた
「良かった……」

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 そしてその次には
「やっぱり」
 股間から伸びるコードを確認して
「夢だったって落ちにはしてくれないのね」
 また歩き出すことへの躊躇をもらうのだ
「よし」
 歩き出すのだ

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「おじゃまします……」
 その後の歩きは快適に進み街に入ることが出来たのだが
「えっと……衣服を貸して頂きたいのですが」
 街の中に人の気配は無かった、それでも全裸が居たたまれないユキは最初にあった家の玄関を叩いた
「避難したのかな?」

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「やっぱりダメか……」
 最初に同年代と思える部屋から下着を
「このコードどうやって取れるのかな?」
 それでも下着を着けて

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「こんなものかな?」
 適当に衣服を漁ると身に着けた
「よし、あと少し」
 ユキは再び自分の勤める研究所を目指した

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「やっとついた……」
 街の中央部にあるその研究所にはそれからしばらくたってから到着した
「これは……」
 何が嬉しいといって建物の中には人の気配があり、ちゃんと稼動しているということだった

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「こいつは大変だ」
 その見知らぬ研究員の第一声だった
「ちょっと……教授は帰っているでしょ?」
 ユキの知らない研究員など
「まあそうだけど、こんな姿見せられないでしょ」
 痛い所を思うのだ

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「まずは調べてみましょう」
 そして、服を脱いでと言うのだった
「それは……」
 折角着た物をと思うと躊躇される
「どうせ外す時には全部脱ぐんですから」

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「ちょっとこの格好は嫌よ!」
 あっと言う間に全裸にされると診察台に押さえつけられる
「すぐ済みますから慌てないで」
 いくつかの検査機械がユキの中を調べていった

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「これって人間の内臓じゃないですよ」
 言うに事欠いて何を言い出すと怒鳴る前にレントゲン写真を見せられた
「何これ?」
 ユキにもわからなかった
「変な穴が出来てるんですよね」
 足の付け根を指差す、そしてそこには確かに肉の色が変わっている、なにやら艶かしくも見える
「なに?……これ?……」
 彼女の意識は闇に落ちていった