ツ−ケ「教授は生物兵器の脳にされていた」

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 ボタ……
「ん」
 ぬるりとした液体が振ってきた
「なに?」

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「いやぁあああああああああああ」
 そこには肉の塊があった……しかも
「なに?何なのよぉ!これぇ」
 それは蠢き触手を伸ばしてきたのだ

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「いやぁあああああああああああああ」 
 触手はなれた手つきで彼女を持ち上げる
『マツシマ君……』
 だからその声にはなかなか反応出来なかった
「なに?」

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 ヌルリ…… 
 そして触手は先ほど変な機械でされたように体中の穴に潜り込もうとしてきた
「あぶぶ……ダメ、そこは……ああ……」
 敏感に成りすぎていた

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「ひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
 ユキは身体の表面全てを愛撫されて、何度も昇り積めた
「ああああ……あぐ……」
 そしてその中で……

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 その触手は優しかった
『マツシマ君……殺してくれたまえ……私を……』
 それが師事する教授の声だと気がつくのに軽い絶頂を含めて両手では足りなかった
「あわ……あ……」

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「ひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
 そして気を緩めた瞬間にまた逝かされるのだ
『すまん……体がどうにならないのだ』
 声は訴え続ける
「教……授」

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「あぐ」
 バシャン!
『やっと止まった……』
 ユキには返答するような余裕も無い、意識はもうどれだけ昔になくなっていた事か
『聞いてくれ……』
 教授が自分がはっきりとした意識を持っている時間が少ないことを知っているのだから

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 ドチャ
「はぁ……はぁ……」
 倒れた瞬間にユキは覚醒した
『マツシマ君……聞こえるか……』
 ようやく……

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「教授?」
 ユキは自分が見上げているものを見ながら我が目を疑っていた
『そうなのだ……良かったマツシマ君……』
 何日もたっていないはずなのにそれは懐かしい響きだった

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「教授……ご無事だったんですね……」
 ユキは素直に嬉しかった……誰も見知った人のいない場所で異形に成り果てていたとはいえ相手は尊敬する人物なのだ
『私を……殺してくれ』
 教授はその言葉を繰り返した

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「和解したようだね」
 研究員が銃を構えて並んでいた
「見ていたの?」
 大きな教授を背後に回すようにユキは立つ
「まあ、激しい声だったからね……それに交尾を邪魔するほど野暮じゃない」
 研究員は笑いながら説明した

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「出来ないわ!」
 この町を無尽にしたのは教授と同時に作られた生物兵器だということ、そして脳は肉体を制御する為に使われていること、だから行動の権限は本人には無いこと、そして前の生物兵器は脳がストレスでパンクして動かなくなった事
「そうかな?君たちの町へ行かせてあげるよ、カップルでね」
 地球の町を滅ぼす為に
「行けないならここで消去処分だぜ」

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「う……」
 教授には死んで欲しくなかった
「行くわ!行けばいいんでしょ!」
 もう何も望まないと心に誓った、教授だけいればいいと

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「ここは緑が多いのね……」
 密かに次の惑星へと移動させられた
「逃げられないと言うことはわかっているけどね」
 コードは教授へと繋がっていたのだ……
「私はチョウチンアンコウの提灯なのね……」
 海底に住む異様な生き物を思い出していた、しかしそれすらも今の教授よりはまともな生物だと思えた