「私と一緒にお前も警察を辞めないか?」
食事会の後で、定年になったパパがそう言いだした。
「何を言ってるの、私はこの前麻薬シンジケートを一つ壊滅させたのよ」
血がそうさせるのだろう、パパの正義感をカレンは引き継いでいた。
「そうか……」
「うわぁ!」
タクシーの運転手の悲鳴を上げた。
「何?」
「きゃぁ!」
大型のトラックが体当たりをするように前方から迫っていた。