「なにこれ……?」
 その異様な光景に、ハミィは切れ長の双眸を驚愕に見開いた。
 頑丈な鉄格子に閉ざされた黴臭い牢屋に、お腹の膨らんだ艶めいた美しい女性が一糸まとわぬ姿で固定されている。
「面白い女を捕まえたんでな」
 ハミィの問いにインダベーが答えてくれる。
 天井から吊るされた頑丈な枷で両手を繋ぎ止められている女性には、見覚えがあった。
 確か、宇宙帝国ザンギャックが開催したブラッドゲームで決勝ステージに勝ち抜いていた戦隊ヒロインだったはず――名前は誰だろうか――。
 牢屋の前には名札があった。
【モモコ/ピンクマスク】
「なんてひどいことを……」
 ハミィは不快感と驚愕の入り交じった表情を浮かべた。
 女虜囚モモコは驚くべきことに、赤ん坊を孕ませた妊婦のように大きくお腹を膨らませていた。
(ザンギャックの慰安婦奴隷からやっと解放されたってのに、今度はジャークマターに捕えられたの? ありえないんですけど……!)
 キュウボイジャーのガラス越しに偶然見かけた時から一か月ぐらいしか経っていないというのに、そのお腹はどう見ても臨月間近である。
「そろそろ面白いショーが見られるぜ」
 インダベーの双眸がいやらしい光を灯した時――。