「やっぱり、地帝獣……っ!?」
 出産直後のモモコは呆然と呟く。
 檻の中にいたのは大型の異形だった。
 首から下が真っ青な鱗に覆われて、頭が岩石に顔が書いてあるような奇妙さだった。眼光は無機質のようで、口からは鋭く尖ったナイフのような牙が覗いている。頭の上には脳が食み出たような橙色の生物が鎮座している。地帝獣ドールドグラー。
「地帝獣ドールドグラーまで……」
 モモコの記憶と相違があるとすれば、股間から剥き出しになったペニスだ。
 先程までモモコの胎内にいたというのにその地帝獣は、母体であるモモコの方へにじり寄ってきたのだ。白く濁った眼球は敵意の色が灯っている。
「犯ス、犯ス、ピンクマスク憎イ! モモコ犯ス! モモコ犯ス!」
「ああっ! い、いやっ……こないで!」
 モモコは長い睫毛を震わせ、整った美貌を硬直させていた。どけだけ暴れようとも両手を吊り上げた拘束具から逃れる術はない。忌まわしい地帝獣を産み落とした影響で体力も根こそぎ奪われている様子だ。
「ピンクマスク犯す! モモコ犯す! モモコ犯す!」
 モモコが大きな瞳を目一杯に見開いて涙を流す間に、ドールドグラーは狂おしい呼吸をこぼしながら、憎悪の仇敵たる対象――モモコの上にのしかかってゆく。
「グルオオオッ!」
 ドールドグラーはナイフのように鋭い爪を生やした長い腕を伸ばしてきた。
「ぅぅぅっ……」
 だがモモコに回避は間に合わない。
 その切っ先を受け流すように細腰を捩らせた。
「痛っ!」
 モモコの両腕は天井から吊るされる鎖に引っ張られる痛みを伴っていた。
 上体をひねる動作にムッチリとした乳房が揺れる。脱力感に苛まれるモモコの太腿はしっかりと握られ、両脚を大きく広げられてしまう。
「……あっ!」
 ぬちゃぁっ……。
 ドールドグラーのペニスが、モモコの大切な膣口にズブリと侵入してくる。
「やめてっ! 抜いてちょうだいっ!」
 出産したばかりのモモコの膣壁は、くぱくぱと卑猥な開閉を繰り返し、ドールドグラーの亀頭にむしゃぶりついてしまう。
「ああ……。もう、ゆるして……」
「モモコ絶対許サナイ!」
 許しを請うモモコの女体を征服しようと、ドールドグラーは腰を使い始めた。
 ぐちゅるっ、ぐちゅるっ!
「う……あっ、はぁっ、はぁっ……、ん……ああ……んっ!」
 マスクマンの仲間と一緒に倒した地帝獣に犯されている事実に、モモコは悔しそうに桜色の唇を噛む。
 強引なレイプにもかかわらず、身体は快感を覚えずにはいられない。
 慰安婦奴隷として性開発された自分の肉体が恨めしい。
「痺レロ!」
 ドールドグラーはモモコを快楽の淵へ引きずり込もうと、汗に濡れるしなやかな太腿を抱きすくめ、ニヤニヤと笑った。
 ビリリッ! ビビィィッ!
 膣穴に密着したペニスから、眩いばかりの電流がモモコの膣内に流し込まれた。自分のものとは思えない牝の叫びを必死の想いで抑えこむが、まるでできない。
「なっ、くぁぅっ! んぁぁあああああんっ!」
 身体を走る電気信号がすべて快感に変わってしまったかのような、たまらない感覚に見舞われる。
 知らぬ間に全身から大量の汗が噴出し、淫靡な全裸ボディがベットリと濡れている。まるで熱病にでもかかったみたいに息が荒くなり、整った美貌がどんどん紅潮していく。
(う……、かんじない……、かんじたく、ないのにぃ……)
 ドールドグラーによって無理矢理に左右に開かれた太腿がビクビクと物欲しそうに痙撃し、ゾクゾクする衝動が下半身から上半身に駆け巡ってゆく。
「く、ううっ……はぁっはぁぁっ!」
 コリコリに固く勃起した乳首が、ビリビリとした電流に苛まれ、強烈な気持ちよさが込み上げてくる。
「んん……ん! こ、これぇ、ダメぇ、ん」
 ぷっくりと包皮が剥き上げられたクリトリスにも、ピリピリと電流が責め立ててくるのだ。甘ったるい痺れがモモコの脳裏を蕩けさせる。
 もう我慢できなかった。
「んはあっ! ああっ! あああんっ❤」
 モモコは頤を反らして身悶え苦しむ。
 太極拳の愛弟子からプレゼントされた三点ピアスの根元を、三カ所も同時に責められたのでは、モモコに抗う術はない。
「ひんっ! や、やあっ! う、動いちゃ……らめえっ! もう、ビリビリっ、も気持ちよくなっちゃ……ひぅん!」
 ドールドグラーは体内電流を放出したまま、激しい上下運動のストロークをする。電流で媚肉を刺激される快感に、モモコの膣内はとめどもないラブジュースを噴きこぼす。
 ぬちゅっ! ぬちゅっ! ぬちゅっ!
「ん……あんっ! あっ! あっ! んはぁんっ❤」
 ピンクマスクとして打倒しなければならないドールドグラーが、急に愛おしい存在感に思い始めた。産まれたばかりの赤ん坊が母親に甘えるような錯覚を覚えてしまう。
「ビリビリって……くるぅぅっ!」
 敏感な陰唇を小刻みな電流で虐められたかと思うと、子宮の奥底まで貫かれる。
「ああっ! はぁ! はぁ! はんん……もっとぉっ❤」
 モモコは汗まみれになった両足を、ドールドグラーの腰に絡めていた。両手も自由だったら、自ら抱き付いていただろう。
 牡と牝の接合点を少しでも密着させようと、身悶えるモモコ。
「随分と気持チヨさソウニ鳴くナ? ピンクマスク」
「ちが、うわっ! くぅう! あたし……そん、な……はぁんっ!」
 ビリビリビリッ!
 ドールドグラーが勝ち誇ったように体内電流を放出する。乳首ピアスとクリピアスがぴくぴくっと切ない音を奏でる。
「ち、違う……のに、うああああんっ!」
 ぐちゅぅぅぅっ!
 電流を伴ったペニスが一気に貫いてくる。
 汚い先走り汁を垂らした亀頭が、愛液と絡まって淫らな水音を鳴らす。強引なレイプにもかかわらず、モモコは快楽を強請ってしまう。
「こ、こんなの……気持ちよすぎて、狂っひゃぅぅっ❤❤」
 両手を吊るした金属鎖をジャラジャラと鳴らし、モモコは淫靡な肢体を揺り動かして無我夢中で腰を使った。
「電流で犯されて、モモコ、イクぅぅぅぅ~❤❤❤」
 ぷしゃぷしゃ、ぷしゃぁぁっ!
 甘えた嬌声とともに結合部から敗北の絶頂汁が噴き出して、牢屋の床にいやらしい染みを増やしてゆく――。