「ここかしらね?」
 全開に開けられた部屋
「もう、構うなと言っているだろ! 下げろ!」
「ワルズ様、そうは言われても私どもも陛下よりお側を預かる身です」
「父上のことは良い!」
 壁の向こうにいるのは、ザンギャックの第二攻撃隊司令官ワルズ・ギル殿下であるようだった。
「種付けを行い、ザンギャック帝国の未来に」
「婚礼ならば父上が考える、出過ぎるなインサーン!」
 巨大組織は基本的に内情が脆い、それはわかっている事だった。