「遠慮しなくてもいいさ。マスクマンのお仲間は落としてやるからな!」
 アングラー兵が楽しげに言って、タケルとケンタとアキラがしがみついているロープに手をかけた。
「やめなさい!」
 この状況では誰も逃げられず、かといって当然反撃も間々ならない。
 アングラー兵の攻撃を生身で受け、激流に落ちたら、仲間もただではすまないだろう。
「それが嫌なら、モモコ次第だぜ?」
「そんな……」
 モモコは途端に湧き上がってくる隷属心を誤魔化すように、ジリジリと後退する。
 その足踏みもすぐに止まる。後ろや左右には、アングラー兵がいた。夥しいほどの好奇と性欲の視線に晒される。
 アングラー兵たちは駆逐される運命だとしても、モモコを弄びたいのだ。
「……わかったわよ」