『ようこそお集まり下さいました、三校合同の映研が製作した文化祭用フィルムの特別上映会へ』
 はるなは、その声を遠い出来事のように聞いていた。
『ここに、映画のヒロイン達が勢揃いしています、皆さんのお気に入りは誰ですか?』
 ステージ上にスポットライトが浴びせられる。
『森川はるな!』
 はるなの目がくらむ、ステージ下は暗くて、人の気配はあるものの、誰がいるかまではわからない。
『早坂アコ! 青柳美月! そして、星川レミ、数美両先生にも特別出演をお願いしています』
 順次紹介されていき、その度に地の底から響くような嬌声が上がってくる。