「準備はいいかな?」
 顔がカメラの怪人は所定の位置につき、コードを外されたバリゾーグは香のリードを持つ。
「バリゾーグはお前の父親役だからな、そう言う風に振舞え」
「お父さま?」
 もう一度その機械の身体を見る。
「うそ……」
 優しいお父さまの顔が思い出され、何でこんなことをしているのか、絶望だけがそこにあった。
「よおおおおおおおおおい、スターーーーーーート」
 撮影が始まった。