「でも」
 現状ではどうにもならない。
 バカみたいな大会会場は突然の爆発で遠くからでも爆炎が見えている。
「人も集まるわよね、きっとみんなも脱出している」
 そう思い込まないと、足が外へ向かなかった。
 それに人が集まってくると、不都合がある。
「裸だもんね、私」
 散々弄ばれてしまった鶴姫だが、羞恥心というものは消えない。
 その、守りたい自分がまだあるのだと思えた。