「ちゃんと産めたじゃないか」
ザンギャックがいま鶴姫が産んだばかりの卵を拾い上げる。
「ブロイラーって閉所で無精卵を産み続けるそうじゃないか、これからの運命を知ったか?」
「無精卵?」
「そうだよ、おまえ一人で定期的にこの卵を産み続けられるんだよ」
「嘘でしょ」
「本当だよ」
絶望に次ぐ絶望、そういう事なのだ。