ギシギシギシ首輪を引かれて回る回る。
 同じ場所を、ただひたすらに歩く歩く。
「……」
「どうだ、適度な運動をさせた方がより品質のいい卵を産めるようになるそうだな」
 この場を取り仕切っているザンギャックの一人が話しかけてくる。
「知らない……」
 田舎では放し飼いが基本、でも鶴姫の家では鶏なんて飼っていなかった。
「勉強してやったんだぜ、地球人に鶏卵以外に人卵も流通させてやろうと考えてな」
「え?」
 ここで鶴姫が産んだ卵が……
「売るの?」
「ああ、もっとも一人から穫れる数には限りがあるからな」
 周りを指さされる。