「炎のたてがみ」
 星獣を呼べないギンガマンの攻撃は、急所を狙う作戦になるしかなかった訳だが。
「嵐のはばたき」
「流水の鼓動」
 それは、全宇宙を通しても有効打だった。
「雷の雄叫び」
「ぐぁああああああああ!」
「決める」
 サヤを抜いたメンバーで構えた後で必殺の一撃。
 ズゴーミンが股間を押さえて、サヤから離れた瞬間にそれは命中した。
「よくやってくれるね」
「サヤァ!」
 駆け寄るリョウマを見て、必死に全裸を隠そうとするサヤだった。
「大丈夫だサヤ、大丈夫だから」
「お願い……見ないで……見ちゃいやぁ……」
 巨大化されたまま、サヤは泣き崩れる。
「これなのか、リョウマ」
「…………そう……なんだ兄さん」
 苦悶の表情で自分が抱えていた情報を吐露するリョウマに……
「知ってたのかよ! リョウマ」
 跳び掛かったのはヒカルだった。
「止めるんだ、リョウマも悩んだ。そしてサヤのために止めるんだヒカル」
 ゴウキは間に立って動かない。
「敵はザンギャック! 俺たちは仲間を、守るための力さえ失っていた、だから……託したんじゃないか!」
 ヒカルの叫びにその場にいる全員が、信用した宇宙海賊の面々を思い出す。
「俺は黙ってられねぇぞリョウマ」
「だからってどうするんだ?」
「宇宙海賊はやっぱり宇宙海賊だよ」
 どこかに行こうとする、ヒカルとハヤテ。
「待て、ハヤテ」
「なんだよ、行かないのかリョウマ?」
 一瞬の逡巡、そして……
「ミハルの側にいてやれ」
「なんだよ、お前に言われる……なんだと」
 思い至ったハヤテは駆けだした。
「なんだよ、ハヤテ!」
「ヒカル、宇宙海賊の所へは俺たちで行く、兄さんは」
「行くに決まっているだろう……俺は今、後悔しているよ」

 どうがんばっても身を隠せないサヤの足下で、それを必死に見ないようにしているメンバーは、ガレオンへと出発した。

「あった」
 ゴーミンが拾い上げたのは、ギンガマンの淫珠だった。
「情報弱者でいることは、最初から敗北してるのと同義語だよ」
 大きな体を持て余すサヤにそれをかざす。
「ギンガマンの淫らなる力、頂きます!」
 サヤがその巨大な体で身悶えるのを、仲間すら見ていなかった。