「え?」
目が覚めた時、マツリの下半身がナポリタンと鰺のフライを作り上げている最中だった。ケチャップと鯵の香が湯気の向こうから鼻孔を擽っている。
「あ❤……」
「マツリちゃん、あれ」
もう一度血の気が引き悲鳴を上げて気を失いそうになったが、魚屋が指差す先からにぎやかな声が聞こえていた。