「今日のところはここまでだ、しかし……そのピアスが振動したら慰安婦を呼び出す合図だからな、覚えておけ」
「じゃあな」
 戦闘兵たちが遠ざかっていくのは、マツリの視界に入っていた。でも、何も感じていなかった。
「こんな……お兄ちゃん! 助けて……マツリを……お兄ちゃん!」
 このまま、家に逃げ帰ろうと思った。
「あ……」
 でも、それ以上にこんな身体にされたことを大好きな兄たちには言えないと思い至る。
「ど……どうしよう……どうしたら……」