ファイルをデリートし、ディスクのチェーンニングをたどると隠しファイルに当たる。
「削除して初めてわかるファイル……」
 そのファイルを開いてスワンは驚愕する。
「現地の牝の躰を母体として無限に増殖するゴーミンの体細胞を融解する振動波……いったい誰がこんなものを……。こんな発想、人類にたどり着けない…。でも、これならゴーミンを一掃できる……」
 スワンはヨコザに与えられた命題の解にたどり着く。
「でもこんなハイレベルの生体結晶エネルギーなんて、何処にあるというのだろう。ここにゴーミンを根絶やしにする方法があるというのに…。もしかしたら、ヨコザなら……」
 でも何か違和感があるのだ。
「どうしてヨコザはアイムの消化器官にあんなものを設置したのかしら……」
 アナルは女性にとって最上の性感帯なのは、女性として生きてきた人間なら当然のことだ、男性教諭による性教育という勉学が、嘘だって女子ならみんなわかっていた。
「アナルを取り囲むの括約筋の性的反応はポルチオ性感との差が平均で56倍……アイム王女の腸内に設置されたクリトリス性感はおよそ2億……ヨコザは何をしようとしたの……これが録画された時期と現代までの間に何が起こったというの?」
 そのデータを見るスワンはいつもの性衝動と違った感情で昇り詰め、へなへなと床に座り込んだ。
「そうか……二つの意味がこのデータには込められていたのね……世界が変わる程の……」