「もう大丈夫よ、麗ちゃん」
「あ……ありがとうございます……マツリさん」
麗はマツリさんが勤務している、国立臨海病院へ搬送されていた。
「元気な赤ちゃんを産んでね」
「は……はいっ!」
新しい命が生まれようとしているこの瞬間が、病院の中でも一番の喜びに満ちた瞬間かもしれない。
しかし、運命はこの二人を容赦のない恥獄へと招き入れようとしていた……