ゆっくりと立ち上がって、少年と正対する。
 その上で子供達が何処にいるのかを思い起こす、牧人は野菜の出荷、麗は朝からヒカルさんとお出かけ。
 芳香は仕事で翼と魁はそれぞれの任地だ。
 もちろん、勇さんも魁と同じ場所で働いている。
「じゃあ、その邪魔なの脱いで」
 ローブの下を指さしながら、絶対的な命令に、またチクリと疼く。
「自分で……?」
 わざわざ確認しなくても結果は同じ、深雪自身に言い聞かせるために自分で発言する。
「効かなくても深雪さんは知ってるだろ?」
 渡せと少年の手が言っている。
 裾から手を入れて、見えないように気をつけながら、すっと脱ぐと少年の手に乗せる。