思考は千路に乱れ、まとまりをみせない。
 何処を歩かされているのかさえ解らない。
「邪魔なの取っちゃおうか?」
「え?」
「これ邪魔だよね、深雪さん」
 少年か摘んているのはローブ。
「そうね、邪魔ね……」
 脱いだら全裸、ここはご近所の往来で……脱いだら全裸。
 そう、考えたら考えるほどに……
「いらないわね」
 脱いでしまった。
 それは、開放感を伴い軽く絶頂を覚える感覚。
「よし、行こうか、今度は立ったままで行くかい?」
 立ったまま……何故立ったままが良いのか解らなかった深雪に明確な回答が与えられる。
「みんなに見て貰えますよ」
 見られる、恥ずかしい行為を自ら行うなんて事があって良いのだろうか、しかし股間も胸の奥も一斉に疼く。
「そうね、それが良いわね……」
 全裸になって歩き出す。