やはり、否定の言葉は出てこない。
どれほどの路地を歩いただろう、気が付けば緑の多い場所まで来ていて牧人が脳裏に浮かび、また恥ずかしくなった。
「股が濡れたみたいだね」
「え?」
牧人のことを想っただけで、既に母としても失格なのだ。