「さて、家に付いたよ」
ふらふらとリードに引かれるままに歩いてきて……
家の通用口が開かれるまで深雪は、何処にいるのかどころか自分の存在さえあやふやな状況だった。
「え? ちょっと……」
「なに?」
気兼ねなく入ろうとしている少年が信じられない。
「子供達が帰ってきてたら……」
少年が深雪をバカにしたのがわかった。顔が完全に見下している。