園児と女性は牛小屋の目の前に立つ、女性は茉子を見た瞬間に驚いた表情を隠しきれて居なかった。
「な!」
「牛小屋だよ、霞」
 牛小屋に人が搾乳されている状況……驚くのも無理はない……茉子は二人の会話を黙って聞くしかできない。
「人が……」
「人だけど、家畜。人畜って言うんだって、結構前からここの保育幼稚園で飼ってるんだよ」
「まさか……」
 茉子はただ何も言わずに涙を流す……。
「あ……」
「…………!」
 その女性と目が合った、その瞬間に理解してしまった。
 この子もザンギャックに拉致されてしまった後輩なのだろう。
「霞もこの二人みたいにここでミルクを集めるんだよ」
 茉子の隣にも数人分の人畜用に備え付けられたスペースがある、霞も同じく家畜のように固定され搾乳をさせられ始めてしまった……。