「そんなに周りを見てどうした? 茉子」
 不安そうな茉子に気がついたのか丈瑠が頭に手を添えながら声をかけた。
「きゃ……!? い、いや……久しぶりだから、ちょっと恥ずかしくなってね」
 いきなり頭を撫でられ驚き声が出る、こんなに積極的だっただろうか……おそらく考えすぎだろうし。
「おやぁ今日の丈ちゃんは積極的ですなぁ」
 そういう源太も、しっかりと姫の隣をキープしている。
「それより、どうしたの私達を集めたりして……志葉のお屋敷でも良かったんじゃない?」
「いや、そのな……」
 和やかな時間はあっという間に過ぎていく。