楽しく、そして幸せな時間はあっという間に過ぎてしまう……
 別れの自覚が近づくにつれ茉子達の心の片隅にはザンギャックにより支配され管理される生き地獄がまた待っているという事が脳裏によぎる。
「うん、またね……みんな」
 今日はもう解散、でもそれだけじゃない事が提案された。

「ドウコクが復活したわけじゃ無いのに、外道衆が隙間から出て来る事件が散見される様になっている事を知っているか?」
 丈瑠は、そう話を始めた……
「皆の鍛錬が足りないなんて思っていないが、これからまた戦いが増える事になる、だから週に一度くらいまた集まって鍛錬しないか? 場所は志葉の家でだがな」
 そして、その定案は出されたのだった。
「いんやない? うちは賛成やけど」
「その、母上は色々とお忙しいでしょうから、あの……」
「そうだな、私は時々で良ければ、顔を出させてもらおうか、茉子は?」
 話が進んでいる中で茉子に話がふられる。
「私の勤めている所は基本的に週末は休みだから、週末に集まる時は参加出来ると思う」
 平日は、ずっと子供たちと……ゴーミンに調教され、搾乳され、チーズを作るのが忙しいからシンケンジャーとしての集まりに来れないとか、悲しみに心が押しつぶされそうだった。
「よし、皆で鍛錬した方が切磋琢磨できるからな、今の生活も守りつつ、外道衆に付いては現行の後輩戦隊に任せずにシンケンジャーである我々がその撃滅に当たる!」
 丈瑠がそう締めくくった。

 そして、次の週末日曜日から週一で、また志葉家での鍛錬が始まるのだ、嬉しく無い筈がない。
「よし!」