「え、えっと……こんな姿で申し訳ありません、人畜として登録されている身ですので、お許しください。えっと、人畜のMAKOです……」
「「「茉子せんせ〜い!」」」
 台に立ちまず卒園式に出席している保護者達に挨拶をする、今の茉子に教員として名乗るのは許されない人畜としての自覚させられる。
 なのに、それとは関係なく卒園生たちは『先生』と呼んでくれるのだ。
「有田くん、生田くん、宇崎くん……………………」
 卒業する園児達の名前を気持ちを込めて呼ぶ……それとは裏腹に保護者や教員の視線は無邪気な園児達とは違い胸や陰部に集まっていた。
「…………………………山本くん、吉沢くん、以上98名」
 園児達全員の名前を呼び終えた。
『園児達は今日渡された筆の準備をしてください』
「ふ、筆?」
 ただでさえいきなりの卒園式への出席、もちろん茉子には台本すら渡されずに、知りもしないプログラムが次々と進められていく。