「ここならあまり人は来ないかな……」
 場所を変えこれからどうするかをじっくり考える茉子、今までザンギャックの支配から逃れようとした事は何度かあったが全て最終的に失敗してきた、町の人はみんなザンギャックの息がかかっているだろう……正直逃れる術が見つからない。
「ショドウフォンも無いし……でも……!」
 ここで諦めてしまったら何も変わらないのを茉子は理解していた、必死に逃れる方法を探してみる。
 そうこうしているうちに数時間……もうゴーミンから戻れと命令された時間は間近に迫っていた。
 まだどうすれば逃れれるのか分からない……いや今の茉子には逃れる方法なんて無かったのかも知れない、茉子の心に焦りが積もる。
「これアナタですよね? みんな探してますよ?」
 後ろから張り紙を持った男性に声をかけられる……張り紙には茉子の写真と「人畜探しています」の文字があった。
「嘘……」
 最初からゴーミンはこれを狙っていたのだ。