「自分で押してみろよ……気持ち良いぜ?」
「ん……❤」
 目の前に用意された快楽に誘導されるようにコントロールボタンと指の距離が少しずつ着実に縮まってゆく……。
 シンケンピンクとしての葛藤と牝奴隷としての期待が頭の中でせめぎ合っているものの目前にした欲求に屈してしまうのは時間の問題だった。
「そうじゃなくても、今媚薬で全身高まり過ぎてるだろ?」
 自分の心に何度もブレーキをかけるが名誉市民の催促が容易くそのブレーキを取っ払ってゆく。
(ダメ……! 押しちゃったら私はもう……!)
 快楽に呑まれないように自分自身の欲求を押し殺すのはもう限界だった、侍としてではなく牝としての自分が一人歩きを始めた。