牛小屋で生活させられている茉子にとって、どういう経緯が行われたかはわからないが。
 今国会中に、TGP関連法案は与党の大多数を持って可決した。
 その法案が通過した、同じ日に地方行政区においても関連法案が通過条例化されたらしい。
 その翌日には、二枚の紙切れが牛小屋に掲示される。
「あ……」
 人畜証明書だった。No,000000001と言う番号が茉子には与えられていた。
「一緒ね……」
 もちろん2番は母さんだった。
「国に家畜として登録されるなんて、おかしな話」
 涙もでない。国はいったいどれだけの人畜を造る気なのだろうか。
 番号の桁数を見ながら茉子は暗澹たる想いに包まれていた。