ザンギャックは滅んだはずだった……もう、何ヶ月もゴーミンはこの保育幼稚園に姿を現していなかった。
「しっかりと肉体は維持されているようでうれしいぜ」
 響子の事など気にも留めず、茉子の身体を点検するようにいじり倒したあとで、腕をつかんで立ち上がらせる。
「茉子ぉ」
「母さん!」
「あんたはここでチーズ作ってな! 茉子は他の場所でお仕事だよ」
 また茉子がゴーミンに連れて行かれる。
「なんで、茉子がザンギャックの為なんかに!」
「それは、あんた等がザンギャックの慰安婦で牝奴隷だからだよ」
 こんなにも近く……側に居るはずなのに母として娘を守る事すらできない自分が許せなかった。