「お買い上げ有難うございます♪」
 ルカの「牝」としての価値は認められ、落札された。
「たしかに、商品を受け取りました!」
 ルカを落札したのはワルズ・ギル命じられたゴーミンだった。
(……しかし、まさか自分で私の所に持って来て、自分で買う羽目になるとは思わなかったでしょうね……)
 奴隷商人は、苦笑しながらルカを引き渡した。
 ゴーミンから引き取った時よりも、十倍の価格で売る事になった。

    ◇  ◇  ◇

「終わったわけではないからな」
 怯えた表情で涙を浮かべるルカの視線が、ワルズ・ギルの双眸に射抜かれる。
「ゴーミンども! たっぷりと調教しておけ!」
 ワルズ・ギルは期待を込めて宣言するのだ。
「なっ……」
 ハッと周囲に目を転じると、ぐるりとゴーミンたちが取り囲んでいる。
 司令官の落札した獲物を嬲り者にする期待を込めて双眸をギラギラと光らさせていたのだった――。