「嘘……」
 見渡す限りの廃墟に、アイムは膝から崩れ落ちた。
 記憶を取り戻した、取り戻す決断をアイムもした。
「こうだったものね……」
 そう、何度かこっそりとルカさんと見に来ては涙を流した風景だった。
「です……でも……でも……」
 取り戻した記憶の中では、ファミーユは復興していた。
 インサーンによって産まされた二人の子供は、ここで次世代の大統領になるという記憶。
「どこに行ったのでしょう! ああ……私はどうしたら……」
 混乱ではない、愛すべき家族の行方の問題だ。
「探そうよ、ねアイム! 私の産んだゴーミン達だっていっぱいいるはずなのに……」
 アイムは改めてルカさんを見つめ直した、だってレイプされて産まされた子供、しかも敵として働いていたのにルカさんは愛を注いていた。
「ん?」
「ごめんなさい……そうですね探しましょう」
 あれが事実なら、きっと会えるから……