「本当に平和になったのかしらねぇ?」
かつては大通りであり、人々が日々の生活を送っていたであろう町並み。
「人はどこへ行ったのでしょう」
ここにも、きっとザンギャックの駐屯はあっただろう。
ユーキスとサイウスがこの町でなにをしていたのか、それを帝国に連れて行ったのは誰なのか。
その気配すら伺い知れない町並みがある。
「ここにお宝は無いのかな?」
ルカにはわからない、あった方が良いのか、それとも見つからない方が良いのか。
「いずれは、見つかります」
アイムには覚悟がある。
「いつ、マーベラスに話そうか?」
そういう覚悟だ。
ルカは決めかねているが、おそらくアイムはもういつ話しても良いと決めている。
「ファミーユは良いの?」
ルカがそんな話題を振るのも、覚悟が出来ないでいるからだ。
「はい、ファミーユはもう大丈夫です……それに、私はあそこで王女を続けられる立場ではありませんわ」
新生ザンギャックや、ジャークマターに入り込まれた新生ファミーユではルカの知らない間にアイムは陵辱の限りを尽くされていた。
「イルムとルフィーナがちゃんとやってくれてますわ」
「二人とも、大きくなったものね」
死を覚悟していた二人の戦いは、当然アイムが許すわけもなく、そうなれば当然マーベラスが許さなかったから、途中からすべてが一つの方向へ向くことになった。
「マーベラスさんもわたくしも、自分の戦いのために命を投げ出そうとしたことがありますものね、いえマーベラスさんはわたくしたちを守ろうとしてですけど」
それで学んだことがある、死を迎えての戦いでは誰も救えないと言うこと、生き残ってそして、一緒に未来を夢を掴む。
「わたくしたちは、ゴーカイジャーですから」
「二人に任せて大丈夫ね」
「はい、すぐにファミーユ星の初代大統領に選ばれることでしょう」
アイムから星を任された二人は、民主制を取り入れようとしていた、地球での経験が役に立ったと言うことだ。
もちろんルカには良く理解できていない。
「!」
視界の端に動く影が入り込む。
「大丈夫ですか?」
ルカよりも先にアイムが気が付いて側に駆け寄ろうとするのを、前に出て止めると。 |