「後方へ行く船にこの子達は、乗せる。せめて生き延びる機会を与えたいからな……」
「私は、あなたたちの見分けが付かないわ! 戦場で会えば!」
「殺してくれて構わん、俺は陛下と共にこの星で朽ち果てるのだ……」
 もう、負けを決めてしまっている。消耗品であると言い切るくせに達観し過ぎている。
「でも……でも……」
「そうだな、お前達が勝って……再び宇宙の海原に出る事があったら……一度子供達を訪ねてくれないか?」
 考えても居なかった言葉だ。
「まさか……え? 父親の敵として?」
「ああ、父殺しの母親として……」
 応えなかった、是も否もなく。ただ無言で……
「ファミーユの姫の事は任せてくれ、かならず脱出させるから……お前達が6人で戦う姿は美しいからな……
消耗品にもわかる事があるのさ」
「え?……」
「インサーンの玩具で終らせては可哀想だからな……あの子も望んでファミーユの血を引いている訳じゃあるまい……」
 他ではギルの血筋を残せないとインサーンは言っていた。多分そういう力がファミーユの血の中にあるのだろう。