「本当にそうか? 腕のある盗賊が……追跡けられているのも気が付かなかったと言うのか?嘘だな」
「嘘じゃないわ!」
「お前は……アイムが羨ましかったんだよ。
 お前みたいな貧民屈育ちでは手に入れることの出来ないものを最初から持っているアイムを!」
「それこそ嘘よ!」
「そうかな? やっとの思いで抜け出した貧民屈の星、念願の光ある場所を手に入れたのは海賊どもと出会ったからだろう」
 マーベラスとジョーの顔が浮かぶ、あの二人の夢がルカを人にしてくれた。
「アイムにとって、落ちていった先、最底辺の生活……それがあの海賊船での生活だ」
 アイムは何時でも他人に優しい、生まれの違いを思い知らされる時も時折存在する。
 ドンッ
 突き飛ばされて、ようやく開放される。
「ようやく、自分がなぜアイムを巻き込んだか分ったらしいな、ゴーミンの情婦」
 それが、自分に相応しい……そうかもしれない。宇宙最大のお宝とか、誰もが笑える世界とか大それた事かもしれない。