「覚悟を決めて……」
 用具室というものがある壁側には来ないことを確認し。
 追いかけているボールに視線が集中するタイミングで身体を窓から滑り込ませる。
「追え!」
「なにくそ!」
「やるじゃないか!」
 子供のような無邪気な声だった。