ペンタゴンにスカウトされたと嘘をついてまで仲間達に別れを告げ、屋上を出た美月を待っていたのはゴーミン達だった。
「仲間達への挨拶は済ませたか。」
 ゆめりあやこずこず、葉加瀬達はゴーカイジャー達の活躍でザンギャックが滅亡したと信じている。
 ザンギャックの魔の手から自由になったと信じ、ゆめりあは苦労の末に結婚を目前に控え、他の仲間達もそれぞれ前に進もうとしている。
 そんな仲間達を解放してもらう為に美月はアキバレヒロイン全員の身代わりとして、アキバレンジャーを辞め、ザンギャックの慰安婦として一生を送るとゴーミン達に誓ってしまっていた。
「帰るぞ。」
“行く”ではなく“帰る”、美月の居場所がザンギャックは詰所だとあらためて思い知らされる。
 ゴーミンに促されて歩き出そうとする美月の前に、制止の手が出される。
「その姿は、もうおしまいだ。」
 制服を指差してゴーミンが言う。
「ザンギャックの慰安婦として、正しい姿になるんだ。」
 慰安婦としての格好に、全裸になれと言われ、躊躇してしまう。
「早くしないと、奴らが出てくるぞ。」
 ドアの向こうでは葉加瀬達が美月との思い出をはじめ、アキバレンジャー 一期の思い出(改変後)を振り返っていた。
 アキバレンジャーを辞めると決めた時に、覚悟はしていたはずだった。
「……」
 美月は服を脱ぐと、キャリーバッグの中から首輪を取り出して自ら嵌めていく。
「これから……」
 涙がこぼれ落ちて行く。
「よろしく……お願いします。」
 ゴーミンの手に握られていたリードが首輪につながれる。
 ゴーミンに引かれ、階段を暗い気持ちで降りて行く美月の嗚咽が響いていた。
 この後、ゆめりあや博世達が美月を抜きにして新たにアキバレンジャーとしての活動を再開するなど、この時の美月は思いもしなかった……