ザンギャックの行動隊長を産まされた美月。
 ゴーミンが次は人の子を産まさせてやると言う。
 愛した人の子を産むのでなければ、嬉しくなどないが、ゴーミン達が美月の喜ぶ事などするはずもない。
 美月の前に並べられていく写真。
 美月の学校にいる不良達やクラスメート、かつて下校途中に見かけた浮浪者、何故か混じっているおじさん(信夫)。
 美月の記憶から取り出したと言う男達の写真。
「どいつの子供を産みたい?」
 ゴーミンが順番に指を指していく。
「コイツか?」
 ゴーミンが浮浪者を指差した時、美月の顔がわずかに歪む。
 そして、ゴーミンはそれを見逃さなかった。
 一応順番に全員を指差し終えたゴーミンは、美月が嫌悪感を示した写真を選ぶ。
「お前が産むのは、この男の子供だ。」
「嫌……」
 小さな声で、反論する美月。
「お前には、相手を選ぶ権利があるとでも思っているのか?」
「……」
「人間の子供を産めるだけありがたいと思え。」
 目の前が暗くなっていく。
「はい……」
 泣きながら返事をして、小さく頷く美月。