「それじゃあ、行こうか。」
 青柳美月ファンクラブ会長と名乗った名誉市民が、美月の腕を掴んで立たせると、表へ向かって歩き出す。
「え?」
 この場で輪姦されると思っていた美月は、驚きを隠せない。
「美月ちゃんにふさわしい会場を、用意してあるよ。」
 そう言って、ビルの前にあるバス停まで歩いていく。
「え? そんな……」
 全裸のまま、一般人も通る道で迎えのバスが来るまで待たされる。
「ほらほら、サービスしないと。」
 通りの向こうから携帯を構えた男達が手を振っていた。
『……』
 体を隠していた手を下ろすと、笑顔を作って手を振る。
 やっとバスが来ると、ファン達が先に乗り込み、最後に美月と会長が乗り込む。