「とりあえず、短時間だけど居場所の疎外をする装置が出来たよ。」
 ヨコザワルドの残したコードを解析して、作られたそれはブレスレットの形をしていた。
「やっぱり、ブレスレットになっちゃうね(笑)」
 形には開発者の好みが影響してしまうからと、めぐみは笑い、美月に渡す。
「ありがとうございます。」
 笑顔で受け取り、早速身につける。
「コレは常には貴女の居場所を隠してくれるわけじゃないから、ここぞと言う時に使ってね。」
 今現在も、美月の居場所はもちろん、状況が生中継され続けている事をザンギャックTVのチャンネル表が表していた。
「一回の使用可能時間は、だいたい3分かな。」
 使用環境によって、時間は変わると説明する。
 3分だけと言いながら、3分以上活動しているヒーローや刑事が頭に浮かぶ。
「時間が切れたら、次に使えるようになるまで30分は掛かるわ。」
 美月は新しく用意された服を着ている。
 めぐみもノートパソコンや研究資材を鞄に詰め終えていた。
「それじゃ、行きましょ♪」
 アクアドルフィンに向かって走り出す2人。
 めぐみには次に向かうべき場所の心当たりがあった。