デカベースの一室で気が付いた美月は、現状を確認すると、秋葉原へ帰る事を決意する。
「まだ、仲間達全員が見つかっていないので、私は一度秋葉原に戻ります。」
 博世がひみつきちにいなかったのが気になっていた。
「皆さん、本当にありがとうございました。」
 頭を下げて感謝の言葉を口にする。
 大それた力をもらえただけでなく、新たにつけられたピアスを、時間制限があるとは言え無効化できる手段までもらった。
「他の公認様達にも、よろしくお伝えください。」
 鶴姫やめぐみ、スワン達はこの後別の場所に向かうと言う。
「それでは……また、決戦の場で。」
 拳を握りしめてお互いに健闘を祈る。
 まだ、闘いは終わっていないのだ。
 仲間達を救出した後、美月もゆめりあ達と決戦の場所に向かうと伝える。

「ただいま。」
 美月はめぐみに作ってもらい、スワンの改造が施されたブレスレットを起動させると、ひみつきちの裏口から店内に入る。
 店内に名誉市民やゴーミン達が隠れていない事を確認すると、隠し部屋に入っていく。
「おかえりニャン、美月ちゃん。」
 ゆめりあが美月を出迎えてくれた。
「こずこずは?」
 詰所から救出した時に、限界を超えて馬との獣姦をさせられていたこずこずは、ひみつきちに運んで来た時から美月達が公認様に会いに行くまで、眠り続けていた。
「そう……」
 起きていなければ、ヨコザワルドの尻奴隷にする事も出来ない。
「それにしても、凄いけど、ずるいよ……」
 ゆめりあが拗ねた態度で言う。
「ライブマンやルパンレンジャー、カクレンジャーにキラメイジャー、他にもたくさんの公認様と会うなんて……私も行きたかった〜!!」
 子供のように拗ねるゆめりあ。
「そんな事言ったって仕方ないでしょ。」
 美月とルナが大それた力を入手するメンバーに選ばれたのは、公平なクジの結果である。
「それに、ゆめりあが作ったくじじゃない。」
しかも、ゆめりあが作っていた。
「む〜……」
 口を尖らせて膨れるが、「なんてね。」と笑顔になる。
 ゆめりあだって留守番している間、ただこずこずを見守っていただけではなかった。
 美月やルナが再びピアスを着けられ、悲惨な目にあっているのを配信で確認していた。
 そして、その事に触れないのはゆめりあなりの優しさだった。
「ルナちゃんもそろそろ帰って来るみたいだし、今後の行動方針についても相談しようよ。」
 ゆめりあはこの後どうするかについては、2人が揃わないと公認様達の情報が足りないと説明する。
「えっと……私が一緒にいた人達、めぐみさん、鶴姫さん、七海さん、小夜さん、スワンさん達は一緒に行動する感じだったよ。ルパンイエローの初美花さんだけ、別行動するみたい。」
 ゆめりあが美月の説明を聞いて、ホワイトボードに勢力図を書いていく。
「私達は、博世さんを探し出して救出したら、秋葉原の詰所を機能停止させて、公認様達と合流。」
 今のところは、そんな感じだねとゆめりあと顔を見合わせて頷く。

「ただいま戻りました。」
 ひみつきちへ、ルナが帰って来た。
「「おかえり。」」
 先に帰って来ていた美月と、留守番していたゆめりあが2人してルナに返事する。
 アキバレンジャー達はひみつきちで合流に成功した。
「後は、博世さんの居場所さえわかれば……」
 動画は観れても名誉市民で無い美月たちにはその位置情報とスケジュール表までは入って来ない。
「ただいまぁ! ピー―スッ!」
「「博世さん!」」
 なん、そこへ博世が自分で帰って来たのだ!
「へへへ! モモレンジャー様とシンケンピンク様に助けて貰いました!」
「「ええええええ! ズルい!」」
「カッコ良かったぁ……はぁ最高の思い出できたぁ!」
「それで、大それた力は?」
 そうだ公認様に会ったのなら……
「そういう作戦になってたの? 私知らなかったし、知っててもアキバレンジャーじゃ無いから受け取れないいわよ!」
 それはそうかもしれない……
「それから、伝言なんだけど……最終決戦場所聞いて来たんだけど、モモレンジャー様から……行けるの? あなた達?」
「大それた力があれば……多分」