ピアスが揺らされたのは、学園物のビデオ撮影が終わった直後教室だった。
 そこに入って来たのは、美月のかつての同級生だった。
「よう、青柳。」
 彼は手を振ると、リモコンを見せて自分が呼び出した相手だとわからせる。
「なんで……」
 撮影を終えて放置されていた美月はまだ後ろ手縛りの縄装束のままだった。
「ああ、君の事はちゃんとフォローしてるぜ」
 ザンギャックTVでの美月のリアルタイム配信は全部掌握していて、今日のビデオ撮影も当然リアルタイム配信で全部撮影風景を観ていたので、どう編集されるのか出来上がりは後日に確認するという。
「ぅ……」
 股間に縄が強く食い込み、声が漏れる。
「もう、いいかな?」
 同級生がリモコンを操作すると、ピアスがポロッと床に落ちる。
「え?」
 突然のことに困惑する美月にもと同級生が説明する。
「ある程度の貢献が認められた名誉市民になれば、これくらいの事は出来るようになるのさ。」
 地球の名誉市民はザンギャックのケーブルTVの視聴課金以外に、牝を責める為のアイテムの開発、薬品の特許提供などの彼らの役に立てる存在だと理解されれば上級名誉市民と言われるようになる。
 戦隊ヒロインを陵辱出来る権利も、名誉市民達に与えられる報酬の一つだが、更に貢献度の高い名誉市民に対しては、視聴者プレゼントの個人用リモコンと違い、ゴーミン達が使用していた上位バージョンが譲渡される。
 そして、彼はその数少ない名誉市民の一人だったのだが、彼自身は知らない事がある名誉市民という名称が既にザンギャックの正当な市民ではないという事だと。