「トッキュウチェンジ!」
 しかし、戦隊ヒロインとして戦い抜いた美緒にとっての優先順位は曲がらない、美緒のイマジネーションがヨコザコレクションを凌駕して……
『変わりまーす、白線の後ろまでお下がりくださーーい』
『トッキュウ3号、トッキュウ3号』
「な、なんで? なんでだよ!」
 はじめて命令がキャンセルされたのだ、目の前で黄色に包まれた戦士に変身した美緒に男子生徒は驚愕の声を上げるしか出来ないのだ。
「危ないから、下がっていて!」
 そう、自分自身よりも大勢の人たちを守りたい、それがスーパー戦隊のメンバーが誰もが持っている当たり前の心意気だった。
「うそだろ」
 しかも、美緒はこの状況で、彼の身を案じたのだった。