マスターが自慢気に
「ほらついに入ったよ、氷点下二度のビールサーバー」
「え、ええ」
そう言われても、悪い予感しかしない。
常連の男たちも口々に、都会でなきゃ飲めないとか、喜んでいる。
彩香はその言葉を聞きながら、コートを脱ぐ。