「まって、ちゃんと言うわ……」
 はるなが、言い淀んでいた言葉を紡ぐ……
「あなたに言われて、ちゃんと答えられなかった……」
「え?」
 霞には思い当たる事はない」
「私は……」
 まだ口篭もる、はるなに、千里が助け舟を出す。
「私も、よ……」
 それに、勇気を得て言葉を紡ぐ……
「私達は自分で選んでここに来たわけじゃ無いの、私は高校時代の生徒会メンバーがザンギャックの名誉市民で当時から奴隷扱いされてた」
「私も、ザンギャックの作ったアプリの所為で学校中で調教されてた」
「それで、勝手に推薦とかあって、私達を管理してる男子生徒はそのころからずっと……」
 霞が入学してから行われている、この異常なる日常が先輩方にはもう、数年かけての事なのだ。
「でも、安心しました」「
「「な、なんで?」」
「先輩方が、それでも優しさも、正義感も失ってない事を教えて頂けたからです」
 世界を守る為に戦隊のメンバーとして戦い、そして日常でも後輩に気を配ってくれている。
 「私、夢があるんです……彼らが帰って良いと言ってくれるなら、ここから、ようやく私自身の研究を行えますから」
 今までの痴態が嘘であるかの如く、霞は白衣を着直す。