「このくらいでいい?」
お願いしたらちゃんとゆっくりと歩いてくれる。
「はい……でも、できればこんな事はしちゃ駄目です」
「なんで、お姉ちゃんの病気を治してるんでしょ?」
それは、霞が最初についてしまった嘘。
「はい、そうですが」
嘘をついてはいけないなんて、当たり前の事なのに、でもあの場でどう言えばよかったのか霞にはわからない。
「大丈夫だよ、お姉ちゃんの治療には僕が付き合ってあげるから」